今年もあと半月ほどとなったところで、今年の主なニュースをまとめ。震災明けの節電ムードで、マスコミによく取り上げられるようになってから2年近く過ぎようとしているが、ゲームマーケットの入場者は増え続け、日本語版のリリースもひっきりなしとなっている。もはや一過性のブームという感じはなく、安定した広がりをみせた1年だったと思う。その一方で、大小のトラブルもクローズアップされた。早い収束を願っている。
1.東方シャドウハンターズ頒布中止(URL)
同人サークルのあゆ屋が制作した東方シャドウハンターズこと『幻想郷闘乱記』が、オリジナルの作者である池田康隆氏に正式な許可を取っていなかったことが判明。9月に頒布中止と返品受付に追い込まれた。その後もネットオークションに品物が流れるなど回収はあまり進んでおらず、清算も終わっていない模様だ。
2.ドミニオン世界選手権、日本代表が2連覇(URL)
8月、アメリカ・インディアナポリスのゲーム祭「ジェンコン」にて第2回ドミニオン世界選手権が開かれ、日本代表の三津家和彦氏が優勝した。昨年の第1回ドイツ大会を制覇したルネ氏に続き、日本代表の2連覇。2人を輩出したドミニオン木曜会がゲームマーケットで頒布した『ドミニオンマニアックス』は本格的な研究本として注目された。
3.ゲームマーケット、大阪で初開催(URL)
3月4日(日)、大阪マーチャンダイズ・マート(天満橋)にてゲームマーケット2012大阪が開かれた。ゲームマーケットが東京以外で開催されるのは初めて。出展者85団体、参加者1500名で大いに賑わった。来年も3月10日に、同じ会場で行われることが決定している。
4.アークライト、池田氏を提訴(URL)
東方シャドウハンターズ頒布中止事件の折、あゆ屋代表の北崎氏がアークライト社の役員だったと思うなどと池田康隆氏がツイッターで発言。これに対してアークライト社が、違法行為を行った北崎氏を当社に結びつけたため名誉と信用を毀損したとして池田氏を東京地裁に提訴した。すでに2回公判が行われているが、両者争う姿勢で決着は来年に持ち越されることになった。
5.駿河屋参入、価格破壊進む(URL)
静岡市に本社をもち、全国展開しているゲーム・リサイクルショップの駿河屋がボードゲームに参入。ホビージャパン、アークライトなどの日本語版、海外輸入版ゲームを定価の2~3割引で販売し始めた。消費者は買い求めやすくなった反面、ボードゲーム専門店は新しい方向性を打ち出す必要に迫られている。
6.宮崎あおい「ボードゲームが好き」(URL)
女優の宮崎あおいさんが映画の完成試写会のインタビューで「ボードゲームが好きで、家族で旅行に行くときはいつも持って行くんですけど、負けるとすごく悔しいので一生懸命やります」と発言。ボードゲームの名前は明かされなかったが、愛好者たちを大いに沸かせた。
7.ひも電、グリモワール、ラブレター・・・日本のゲームが世界で注目(URL)
OKAZU Brandのひも電がフランスのアスモデ社から、カナイ製作所の『ラブレター』がアメリカのAEG社からデビュー。ワンドローの『グリモワール』がドイツゲーム賞・金の羽根賞(模範ルール賞)とグラフ・ルード賞(イラスト賞)を受賞するなど、国産オリジナル作品が海外でも注目された。ゲームマーケットでは外国からスカウトが訪れるまでになっており、日本のゲームが注目されている。
8.ドロッセルマイヤーズワークショップ好評、製品化も(URL)
東京・中野のボードゲームショップ・ドロッセルマイヤーズは4月から定期的にワークショップを開催し、参加者でオリジナルのゲームを制作している。その中の1つ『巨竜の歯みがき』が11月のゲームマーケット2012秋で発売し、すぐ売り切れるなど注目されている。
9.日本語ルールを付けない業者をめぐって議論紛糾(URL)
通販ショップやオークションで、ネット上に公開されている日本語ルールを前提にボードゲームを販売している業者が相次ぎ、公開されている日本語ルールの商用利用をめぐって賛否両論の議論を生んだ。立場によって見解が分かれ、また個人輸入の増加による国内ショップへの影響も考えられるため、難しい問題となっている。
10.ボードゲームポッドキャスト次々と(URL)
「ふたりはボドキュア!」をはじめ、ボードゲームをテーマにした新しいポッドキャスト番組が次々と生まれた。一方、ボードゲーム専門ではないポッドキャスト番組で「ゲームマーケットで石を投げれば童貞に当たる」発言が炎上するなど、文字ではなく声で伝えることの難しさも認識させられた。
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