1~2人用スピンオフ『イッツアワンダフルキングダム』日本語版、12月23日発売
Engamesは12月23日、『イッツアワンダフルキングダム(It’s a Wonderful Kingdom)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・F.ゲラール、イラスト・A.ウォルフ、1~2人用、14才以上、45~60分、4950円(税込)。
カードドラフトと拡大再生産ゲーム『イッツアワンダフルワールド』の1~2人用スピンオフ。ラ・ボワット・ドゥ・ジュ(フランス)から年末年始にかけて世界一斉発売される。舞台を近未来から中世に移し、公国の公爵が王の正統な後継者として次の王位を争う。
前作と同じく、ドラフトでカードを獲得し、そこから建設する計画、建設したカードを順番に稼働させてリソースを得る製造の3フェイズでゲームを進めるが、カードドラフトにはケーキ切り分けメカニクスを取り入れ、1人がカードを分配し、相手がそのどちらかを選ぶ。カードの中には失点にしかならない災いが含まれており、さらに罠トークンを使ってカードを裏返すことができるため、高度なインタラクションとブラフが生まれる。
達成するとボーナスがもらえるが、達成しないと敗北になってしまうマイルストーンモード、災いに変化を与える災いカードモード、特殊能力が加えられるお助けカードモードがあり、そのうちいずれか1つで遊ぶため、遊ぶたびに変化をもたせられる。
(写真は英語版)
マヤ(Maya)
広がる都市、つながる作物
『マヤ』というボードゲームは何タイトルもあり、有名どころではアイゼンシュタイン+アバクスシュピーレ版(2003年)がある。既存のタイトルとかぶらせてくるのは自信があるからだろうか。現代においてもピュアユーロを作り続けるイギリスのデザイナーコンビ作品。
自分の手番には手札から作物タイルをボード上に配置する。タイルは既存のタイルに隣接して置くことができ、同じ種類の作物なら何枚でも置ける。そして同じ種類でつながっている自分の色の作物の数だけ得点。
タイルを補充するには、手持ちの作物タイルを裏にして配置しなければならない。手持ちの選択肢が多いほうが得点しやすいが、選択肢を増やすにはタイルを1枚犠牲にしなければならないというジレンマ。
こうして裏にして置かれたタイルと、盤上のところどころにある神殿がつながったところが「都市」と呼ばれ、周囲が全部埋まるとエリアマジョリティの得点計算がある。その都市を囲む作物タイルの多い順に1位と2位に得点が入る。都市が広いほど得点も大きい。同じ作物タイルが、反対側の別の都市にも使えるところが深い。
作物タイルの連続による短期的な得点を見据えつつ、可変的な都市の中長期的なマジョリティ争いをする。その2つを軸にして、どこにタイルを置き、どこで補充するか考えるのはとても悩ましく面白い。さらに誰かがタイルを使い切ったらゲーム終了なので、終盤は他の人の動向も注意しておかなければならない。
短期的な得点と中長期的なマジョリティ争いのどちらにも効く「絶妙な一手」はゲーム中何回かある。その一手を打てたとき、他プレイヤーを唸らせたときが気持ち良いゲームである。同じ種類の作物なら何枚でも置けるというルールによってダイナミックになり、一気に形勢が変わるのもよい。
Maya
ホワイトゴブリンゲームズ(2019年)
2~4人用/8歳以上/30~45分
通販:ゲームストアバネスト