シュピール’24:クイーンゲームズ
★カトマンズ(Kathmandu)
ゲームデザイン:S.フェルト、イラスト:L.ジーグモン、2~4人用、12歳以上、60~75分。
フェルトのシティコレクション第8弾で完全新作。ネパールの探検隊として、適切な道具を揃え、計画的にさまざまな風景、寺院、都市を発見する。5個のサイコロのうち3個を使って資源を獲得し、マップを移動し、寺院の訪問、都市での商品取引、風景の探索、動物のスケッチにより勝利点を集める。途中で時間をかけすぎると、嵐がやってきてカトマンズに到着する前にゲームが終わってしまう。無事カトマンズまで到着できたらボーナスがもらえる。
★ムーンライトマーケット(Moonlight Market)
ゲームデザイン:D.ヘン、イラスト:M.エルト、1~5人用、8歳以上、45~60分。
満月の夜に行われる神秘的なマーケットで、宝飾品職人となって宝石を競り落とし、金のネックレスを作って名声を競う。4ラウンドにわたって巧みな手さばきと鋭い観察眼で最高級の石を選び、華麗な装飾で最も美しく芸術的なネックレスを作り、皇帝の寵愛を射止めよう。さまざまな組み合わせの宝石が市場に提供され、落札したものが自分の工房に置かれる。同じ色が4個以上揃うと捨てなければならず、自分にとって最適な組み合わせとは限らない。
★ナッソー(Nassau)
ゲームデザイン:S.フェルト、イラスト:K.フランツ&M.ブラハ、2~4人用、14歳以上、90~120分。
フェルトのシティコネクション第7弾で、アレアから2006年に発売された『ラムと名誉』のリメイク。カリブ海を航海し、財宝を略奪し、最も恐れられる海賊船長になることを目指す。乗組員を雇い、船をアップグレードし、交易所の略奪、要塞の征服、伝説的な海の怪物の討伐に挑む。常に状況を把握して、どのように船を装備し、どの乗組員を選ぶかを考えることで、最後に勝利を手にすることができる。
★ノヴァ・ローマ(Nova Roma)
ゲームデザイン:S.コロドンスキイ、イラスト:M.ディミトリエフスキ、1~4人用、14歳以上、60~120分。
西暦324年、ローマ帝国の新たな首都となったビザンティウムで、ローマの名家の当主として急成長する都市の運命を導き、皇帝を満足させる。家臣や従者を戦略的に配置し、建物を建設し、交易路を支配し、競馬場で実力を証明しよう。黒海の支配権を得、海洋協定を結び、モニュメントを建設し、強力な同盟者を募り、皇帝の寵愛を利用して自分の地位を強化する。細部まで作り込まれたコンポーネントと奥深いゲームプレイで、都市を繁栄に導く戦略的スキルが試される。
ボタニクス(Botanicus)
苗を見たいお客さんもいる
植物園に苗を植えて花を育て、訪れたお客さんに楽しんでもらうパターンマッチングゲーム。今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞で推薦リストに選ばれた。お金カツカツで1金に泣く展開は、往年のハンス・イム・グリュック社の名作を彷彿とさせる。
アクション選択はメインボード上で行う。1列に4つのアクションがあり、前のラウンドでより上にあるアクションを選んだプレイヤー(同じアクションならより後に選んだプレイヤー)から順に選んでいく。弱いアクションならば連続手番も可能だが、強いアクションを取るほど後手番になる仕組み。
アクションはメインボード上の3つのトラック(お金、水やり、植物)を進むのが基本で、他に動物や庭カードなどがある。プレイヤーボードには庭師がおり、その周囲4つの花壇に植物を植えたり、水やりをしたりできる。植物はレベルI~IVがあり、各段の注文を揃えると得点できる。
最初の客は苗を見たい客なので浅く広く植えていき、後の客は花を見たい客なので水やりをしたり植え替えたりして育てる。しかし庭師の移動にはお金がかかるので、あまり行ったり来たりはできず、どこまで育ててから移動するかが悩ましい。育てたいところで水やりのアクションが選べなかったり、逆に新しい苗がほしいのに水やりばかりになることも少なくない。
動物は基本ゲームではただの得点だが、上級ゲームでは動物が花壇を塞いでおり、除去しないと植物が植えられない。しかも動物ごとに「〇〇を取るたびに+◯点(◯金)」といったさまざまな永続効果が用意されており、どの動物から取るかも悩ましい。
庭カードはお金を払ってさまざまなアクションができる追加アクションで、どんなアクションができるかは引いてみてのお楽しみ。このおかげで運の要素があり、息苦しくない。
アクショントラックを3周したらゲーム終了で、勝利点を競う。最後は全部植えられている縦列の植物が得点になるので、空いた花壇がないようにしたい。上級ゲームではプレイヤーごとに庭のパターンが異なり、庭師が2人いてかゆいところに手が届きやすくなっている。
アクションは4択ながら、庭師の移動など考えどころが多いので公称プレイ時間では収まらず4人で90~120分くらいと結構重め。しかしゲームの要素は複雑でなく遊びやすく、じっくり考えて遊ぶところに重きが置かれている。「ドイツゲームかくやあらん」という作品。
Botanicus
ゲームデザイン:S.タベリーニ=フェラーリ&V.マッセイニ
イラスト:M.グレーバー&F.G.シュテンメレ
ハンス・イム・グリュック(2024)
2~4人用/10歳以上/45~60分
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