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未確認生物テレビ(Cryptids TV)

絵を見て笑うのを見て笑う
でっち上げた生物のイラストを見て、即興でテレビリポートする国産のコミュニケーションゲーム。今年のゲームマーケットの新作だが、先行してシンガポールのゲームフェアでも展示された。カードは日英の両方表記で、エッセンの出展もばっちりである。
まずはじめに未確認生物カードを引き、「テレパシー生物」「猛毒生物」などの今回の生物が決められる。このテーマで、各自、生物をでっち上げスケッチ。絵の上手下手よりもインパクト重視。
そして、番組テーマカードを引き、「シベリア凍土地帯から千年前の生きた状態で」「驚きの実態!奇妙な増え方をする…」などのテーマが与えられる。先ほど描いておいた絵を皆に見せながら、テーマに沿って1人ずつ実況中継するわけだが、その前に全員の絵をシャッフルして配りなおすのがこのゲームのポイント。
絵を見るととんでもない生物が描かれているわけで、吹き出してしまったり、絶句したりと、まるで本当に生物を見たかのような臨場感があふれる。
「ハイ、こちら〇〇から実況中継です。巨大な生物が眠っています! この耳のような部分は、専門家によりますと電波を発信する装置になっているそうです。おおっと、起き出しました!」……実況中継ではテンションの高さと、絵をテーマにこじつけるプレゼン力が問われる。
全員がリポートした後にベスト作品を一斉に指さして決め、これを2〜3ラウンド繰り返して、ベスト作品中からベストを決める。そのリポーターが1位、絵を書いた人が2位、2番目のリポーターが3位、絵を書いた人が4位。
いきなり実況中継といわれても戸惑うが、次第に自分なりのスタイル(勢いで押し切る、無理やりこじつけるなどなど)が確立されれば何とか乗り切れるようになる。どう実況したらいいか困っているのを見ているのも楽しい。
ホームページでは、傑作作品のイラスト写真とリポートの要約を募集している。8月末〆切。応募してみてはいかが。
Cryptids TV
藤原快/ピグフォン(2011年)
3〜8人用/10歳以上/20〜40分
ピグフォン:未確認生物テレビ

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ブロッカーズ(Blockers!)

もう置くところない!

自分の色のタイルの「島」ができるだけ少なくなるよう、つなげて配置するゲーム。もとは2007年にアメリカのゲームショップ「ファナゲン」が発売した『アップタウン』で、今年になってドイツ語・英語・中国語版が相次いで発売され、ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに入った。新版ではタイルがずれないようにボードがエンボス加工されている。
順番に各自、自分の色タイルを1枚置く。タイルは数字・アルファベット・模様がついており、対応する行・列・エリアに置かなければならない。ただし1枚だけ「ブロッカーズ」と書かれたタイルがあり、どこに置いてもよい。
ボードは思いのほか狭く、中盤から置くところがどんどんなくなっていく。そこで、空いているマスだけでなく、ほかの人のタイルを除去して置いてもよい。その場合は、相手の「島」(タイルのひと続き)を分断してはいけないというルールがある。除去したタイルはゲームの最後に失点になるが、それによって自分の「島」をつなぐ足がかりになるならば失点を減らせるだろう。
山札がなくなったら1枚ずつ置いて終了。「島」の数と、除去したほかの人のタイルの数の合計が一番少ない人の勝ち。
序盤はある程度固めておけるが、手札はすぐばらばらに。しかもボードはどんどん埋まっていき、除去せざるを得ない状況になる。相当な洗面器ゲーム※で悶絶しまくった。私は少し離して置いた島を後でつなげる作戦だったが、中央の攻防が激しくてつながらずじまい。ぽちょむきんすたーさん(赤)が1つのマークのエリアを囲い込み、有利に進めて1位。同じアブストラクトゲームの『クゥワークル』と続けて遊んだが、こちらのほうが時間が短くてエキサイティングだと評判だった。
※水を入れた洗面器に顔をつけて最初に顔を上げた人が負けというゲームのようなマゾヒスティックな我慢比べのこと。
Blockers!
K.ヒース/アミーゴ(2011年)
2〜5人用/8歳以上/30分
国内未発売