Posted in た行

ダンジョンロード(Dungeon Lords)

ダンジョンの経営学
ここは地下世界。暗黒の支配者たちは今日も仕事に精を出している。インプ(小悪魔)たちをリクルートして固い岩にトンネルを掘らせ、金を採掘して資金を集め、宝を根こそぎ奪っていく冒険者に備えて高いトラップを買い、食料を調達してモンスターを雇う。ダンジョン省からは厳しい採掘規制が敷かれ、税金まで取られてしまう。
RPGの王道、ダンジョン攻略を悪の側から見たボードゲームが、昨秋チェコで発売され、その日本語版が来月発売される。先行して先月ゲームマーケットで限定発売されたものを遊んだ。
ゲームはダンジョンの建設と冒険者パーティとの戦闘に分かれる。建設は8種類(食料調達、悪評の改善、トンネル掘り、金の採掘、インプの徴募、トラップの購入、モンスターの徴募、部屋の増築)のアクションから毎回3枚のアクションカードを選ぶ。手番順・選んだ順にコマを置いて行い、順番によってはコストが高くついたり、定員からはみ出して何もできなかったりすることもある。
ダンジョンロード
メインボード。選択したアクションスペースに順番にコマを置いて、そのスペースのアクションを行う

“ダンジョンロード(Dungeon Lords)” 続きを読む

Posted in エッセイ

エッセンのベストフリークゲーム

昨年の10月にドイツで開かれたエッセン国際ゲーム祭では、例年にも増してたくさんの話題作が発売された。そこで、フリークゲーム・ストラテジーゲームと呼ばれるものに絞り、その後に公表された数々の人気投票の順位を総合してみた。これで欧米のボードゲーム愛好者の嗜好を見て取ることができる。
調べたものは以下の5つ。まずフェアプレイ・スカウトアクション(FP)は、エッセン国際ゲーム祭の開催期間中に会場でアンケート用紙を配り、来場者が記入したものをリアルタイムに発表するものである。ボードゲームアンケート(UF)は、年内にインターネット上で調査したもので、主にドイツ圏の愛好者が回答している。プフェファークーヘル(PK)は毎年新作を遊んで評価しているドイツのゲーム会で、ドイツゲーム賞を占う賞となっている。ミープルチョイス(MC)はアメリカを中心とするネット上のグループで、最後にボードゲームギーク(BG)のランキングを載せた。
これらのランキングの上位に入っている12タイトルを選び、その相対順位を取って平均したものが下の表である。
この結果、最も評価が高かったのはイタリアのゲーム『バスコ・ダ・ガマ』。ドイツで圧倒的な人気を誇っている。続いてアメリカのゲームでドイツ語版も日本語版も発売された『エンデバー』、そして来月日本語版が発売される『ダンジョンロード』、ドイツ語版の初版が売り切れた『ハンザ・テウトニカ』が続く。これらはアメリカでの評価が高い。
一方、ドイツ年間ゲーム大賞で特別賞に選ばれた『果てしなき世界』、新進気鋭QWG社(オランダ)の『カーソンシティ』、名門イスタリ社(フランス)の『アッシリア』は評価が伸び悩んでいる。
私も順位付けを試みて、下記のRead Moreのところに記してみた。世間の評価とずいぶんずれているようだ。

ゲーム名 FP UF PK MC BG 平均 順位
バスコ・ダ・ガマ 1 1 1 5 4 2.4 1
エンデバー 4 4 2 2 1 2.6 2
ダンジョンロード 5 2 3 2 3 3
ハンザ・テウトニカ 9 4 3 1 3 4 4
権力ゲーム 2 6 6 9 5.75 5
マカオ 3 7 7 4 8 5.8 6
エジツィア 7 3 5 11 6.5 7
洛陽の門にて 6 9 6 8 5 6.8 8
ファクトリーマネージャー 8 10 7 7 8 9
果てしなき世界 11 8 4 10 8.25 10
カーソンシティ 10 11 9 6 9 11
アッシリア 11 12 12 11.67 12

“エッセンのベストフリークゲーム” 続きを読む