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ヒーローカンパニー(Hero Company)

ヒーローといえどサラリーマンなわけで
ヒーローカンパニー
月刊『ヒーローズ』の連載で単行本にもなっているコミックを、『街コロ』のグランディングがボードゲームにした。「ヒーローカンパニー」の社員となって、5人戦隊のライバルと協力しつつ出しぬき、高い評価を得ることを目指す。
毎ラウンド3つの事件が起こる。「痴漢」や「コンビニ強盗」、そして「無差別暴行」「銀行襲撃」など。その合間に「特訓」も行われる。これらの事件を見て、順番にどの事件に向かうかを決める。自分の現在の戦闘力を見て、解決できそうなところを選ぼう。ほかの人と同じ事件に向かってもよい。
ここで「イベントスキル」というカードを出すことができ、ほかのプレイヤーを同じ事件に集めたり(「緊急招集」)、逆にほかの事件に飛ばしたり(「ここは任せろ」)といった調整ができる。難事件には助っ人を呼び、手柄を奪われそうになったら追い出してしまうという利己的なヒーローたち。
事件の解決は基本ダイスで、「バトルスキル」というカードでダイスを増やしたりできる。勝利条件の数字を上回れば解決。満たなければ同じ事件に参加している次のプレイヤーがサイコロを振って累積させる。全員がサイコロを振っても勝利条件に満たなかった場合はライフを失う。出目が大きい「必殺ダイス」をどこで振るかが大事だ。
解決すると、解決したプレイヤーにポイントと、参加した全員に(ダイスを振っていなくても!)「査定カード」か「技カード」が渡される。「技カード」は上記のイベントスキルかバトルスキルで、次の事件に備えておく。「査定カード」はゲーム終了時にポイントになるが、プラスばかりとは限らない。「無駄な出費」や「命令違反」のカードを引くとマイナスになってしまうので、「イベントスキル」でほかのプレイヤーに押し付けてしまおう。
最後はライフが残っているプレイヤーの中で、ポイントの多いプレイヤーの勝ち。だから当然、協力より競争である。他人の足を引っ張ってでも出世を目指す!
5人プレイで30分。難易度の高い事件に全力を注いで、そこで得られる報酬で次の事件に立ち向かう作戦だったが、最後の決戦まで体力がもたなかった。そのため最終ラウンドは手を抜いて、こそこそと査定カードを奪ったり押し付けたり。ヒーローとしてどうなのかという戦いぶりで1位。ヒーローだったら、確率の低いダイスで奇跡の一発逆転といきたいところだが、現実はそうではないみたいだ。
ヒーローカンパニー
菅沼正夫/グランディング(2015年)
3~5人用/10歳以上/30分

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ドイツ年間ゲーム大賞2015に『コルト・エクスプレス』、エキスパート大賞は『ブルームサービス』

ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日10時30分(日本時間の17時30分)、ベルリン市内のホテルにて今年度大賞の発表と授賞式を行った。5月18日に発表されていた(TGiWニュース)各3タイトルのノミネート作品から、大賞には『コルト・エクスプレス』、エキスパートゲーム大賞には『ブルームサービス』が選ばれた。
審査員は授賞式の前夜に投票して大賞を決定する。当日はノミネート作品のデザイナー、イラストレーター、出版社の代表が招かれ、それぞれ3タイトルのノミネート作品を順番に紹介した後、大賞が発表された。
大賞には『コルト・エクスプレス』(ルドノート)が選ばれた。西部劇をテーマにしたフランスの出版社のボードゲームで、審査委員会は「西部劇のパロディーのようなゲーム。ドタバタの中で盗賊たちは確実だと思っていた獲物を殴られて失ったり、誰もいないところに銃を撃ったりする。ほかのプレイヤーが失敗したのを笑っていると、今度は自分がハチの巣になる。このような計画性とカオスの混合が魅力と機知を生み出す。立体のボードになった機関車と客車がさらに目を引く」とコメントしている。フランスの作品が受賞するのは一昨年の『花火』以来2年ぶり4回目。フランスの躍進を印象付ける結果となった。
今年の大賞には日本ゲームの『街コロ』がノミネートされた。このためデザイナーの菅沼正夫氏と、ドイツ市場に紹介したヤポンブランドの健部伸明氏らも授賞式に出席している。日本ゲーム初の大賞受賞はならなかったが、壇上で賞状を受け取った。
エキスパートゲーム大賞に選ばれたのは『ブルームサービス』。2008年に年間大賞にノミネートされた『魔法にかかったみたい』のボードゲーム版が5年目となる同賞を受賞することになった。リメイクで大賞を受賞するのは『ズーロレット』などの先例があるが珍しい。審査委員会は「強気か弱気か。この問題は赤い糸のように『ブルームサービス』にもある。ハイリスクのアクションで強力な効果を狙うか、慎重に確実にいくかという選択に常に迫られるのがエキサイティング。臨機応変の戦術で相手を煙に巻けば、本当に魔法の瞬間を経験できる。特に素晴らしいのは追加可能な上級バリアントルールによってリプレイ性を高めていることだ」という。
ドイツ年間キッズゲーム大賞の発表は先月10日に発表され『スピンデレラ』が選ばれている(TGiWニュース)。
『コルト・エクスプレス』は日本語版が発売されているが、『ブルームサービス』の流通はまだ始まっていない。
Spiel des Jahres e.V.
TGiWレビュー:コルト・エクスプレス
TGiWレビュー:ブルームサービス


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