河出書房新社は11月20日、新書『ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ』を発売する。著・與那覇潤&小野卓也、240ページ、990円(税込)。
ボードゲームこそが属性や能力主義による社会の分断を乗り越える「共存の哲学」である。プレイする束の間、「個人の属性」も「能力の違い」もリセットする、遊戯(ゆげ)の力が、必ずこれから、誰もが一緒に〈楽しめる〉社会をつくっていくというテーマで対談。また三宅香帆(書評家)、辻田真佐憲(近現代史研究家)、安田洋祐(経済学者)、小川さやか(文化人類学者)、安田峰俊(ルポライター)、三牧聖子(政治学者)の各氏が専門に関連するボードゲームをプレイした体験記も収録されている。
おすすめボードゲームや購入ガイドなど、ガイドブック的な側面は残しつつも、思想面を掘り下げるところが本書の特徴。著者の與那覇氏の精神科デイケアでの体験、当サイト管理人の普及活動やボードゲームシーンの振り返りを手がかりに、目的指向ではない「ボードゲームをただ遊ぶ」ことの重要性を考察した。愛好者から未経験の方まで、ボードゲームの魅力を伝える実験。
大上段に構えたタイトルですが、「趣味を思想にする」という試みに興味のある方はご一読頂ければ幸いです。
もくじ
第1章 なぜボードゲームに注目するかー「ブーム」の理由と現在地
第2章 ボードゲームをどう楽しむかー有識者6名とのプレイング
第3章 どんな未来をボードゲームは開くかー「遊戯(ゆげ)するケア」の可能性
第4章 ボードゲームはなにを私に考えさせたかーリワークデイケアでの体験から
第5章 ボードゲームはどこまで世界を掘り下げるかー「えっ!」と驚くテーマの作品たち
はじめての買い方ガイド① 超・初心者のためのボードゲーム購入術
はじめての買い方ガイド② シチュエーション別おすすめボードゲーム10選
- 河出書房新社:ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ
- 読書メーター:ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ
- アゴラブックレビュー:一緒に楽しむのに「能力」はいらない
- 読売新聞書評
- こここ:今なぜ、対面で“遊ぶ”のか? 能力主義を乗り越える一冊(遠藤ジョバンニ)
- kimilab journal:ボードゲームの体験を言葉にし、思想にする~(石田喜美)
- ソークオフだよ人生は:『ボードゲームで社会が変わる』におけるウォーゲームの微妙な扱いについて(中黒靖)
- note:ボードゲームと社会(ふかくさ)
- note:ボードゲームと学びに関する4つの立場(Yuki FUKUYAMA)
- 琥珀色の戯言:【読書感想】ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ(fujipon)
- 教育ICTリサーチ ブログ:『ボードゲームで社会が変わる 遊戯(ゆげ)するケアへ』ひとり読書会(為田裕行)
- note:ゲームのアドバイスとアドバイスしすぎと「能力」の主語の移行と『ボードゲームで社会が変わる』 (米光一成)
- NEdit Lab:ボードゲームで医療が変わる!?(小倉加奈子)