指復活!
3個のダイスを振って、出た目の組み合わせによってダイスか包丁を取るパターン認識ゲーム。『リトルトーキョー』『ラーメンシェフ』と日本テーマのボードゲームを発表しているヘルトベルクス(ドイツ)から2021年に発表された。昨秋のエッセン・シュピールにも出展され、日本から参加した何人かが注目した作品でもある。側面にも大きく「指詰め」と書いてあるボックスアートは強烈だ。
3個の特殊ダイスはドクロ、包丁、紙幣で1~3の出目になっている。全員、左手(まだ全部指がある)をテーブルの上に出してゲームスタート。誰かがダイスを振って、5つのパターンでダイスを取る。
- マークと数の両方が他の2つと一致しないダイスがある→そのダイスを取る
- マークか数のいずれかが3つとも相互に共通する→動かない
- マークも数もすべて共通するダイスがない→包丁を取る
- (バリアント)すべてのダイスが同じマーク→どれをとっても良い
- (バリアント)すべてのダイスが同じ数→どれをとっても良い
正しいダイスを取れなかった人、動いてはいけないのに動いてしまった人は「指詰め」をする。最初は小指から折っていき、親指まで折った人(5回失敗した人)は脱落する。最後に残った人がラウンド勝利となり、3回ラウンド勝利したらゲーム勝利となる。
親指を折ることになったとき、復活チャンスがある。指ダイスを振って、指が切れていない面が出れば親指を折らずにゲーム続行。ごくまれに指ダイスが垂直に立つと、なんと薬指も復活する。この生き残りをかけた指ダイスロールが非常にゲームを盛り上げる。
パターン認識ゲームは得意不得意・慣れ不慣れが出やすいが、そこにももうひと工夫ある。ラウンド勝者は「親分」から指輪(輪ゴム!)をもらって指にはめる。その指は折ることができなくなるため、HPが1つ少ない状態でゲームを始めることになる。プレッシャーのため慎重になりやすく、逆転されやすくなる。
だんだんパターン認識力が上がってきたかと思えば、動いてはいけないルールに引っかかったり、その間に他のプレイヤーがかっさらったりと、指がなくなるプレッシャーの中で真剣になれるゲームである。
Yubitsume
ゲームデザイン:T.プレヒト/イラスト:C.ボグレ
ヘルトベルクスゲームズ(2021年)
2~5人用/14歳以上/15分