故宮(Gùgōng)

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上がっていく役人の賄賂要求
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明朝の紫禁城を舞台に、役人たちに賄賂を送って万里の長城を建設したり運河で交易したりして、名声を競うボードゲーム。『ハンザテウトニカ』などの作品があるドイツ人デザイナー、アンドレアス・シュテーディングの作品で、ゲームブルワー(ベルギー)から今秋発売された。賄賂の価値が変わっていく中、できるアクションとしたいアクションの選択に悩まされる作品だ。
ゲームボードは7つのエリアに分かれており、手番にはいずれかのエリアに手札を出してアクションを行う。各エリアには贈り物カードが置かれており、その価値よりも高い贈り物カードを出すとアクションをさせてもらえる(賄賂を禁じられた役人が、贈り物の交換で便宜を図るという当時の風習を見事にゲームに落とし込んでいる)。同価値以下の贈り物カードを出した場合は、アクションをするのに追加コストを支払わなければならない。
アクションは7つ。短期的なものから長期的なものまでバラエティ豊かに用意されている。
・旅:旅人を移動し、トークンを取ってさまざまな恩恵を得る
・長城:万里の長城の建設に使者を送る
・翡翠:ゲーム終了時に得点になる翡翠を獲得する
・陰謀:陰謀マーカーを進めて引き分けで勝てるようにする
・乾清宮:使者を進めて皇帝に謁見する。ゲーム終了までに皇帝に謁見できないと失格
・布告:使者を送って自分だけの特殊能力や得点源を増やす
・大運河:船に使者を乗せて2倍の使者や追加贈り物カードなどを得る
使えるリソースは「使者」というキューブで、アクションの効果を強化したり、建設や船などに従事させたりする。ラウンドのはじめと終わりに補充されるものの不足気味なので、無駄遣いをしないことが大切だ。
アクションをするのに支払った贈り物カードと引き換えに、それまで置いてあった贈り物カードを受け取り、次のラウンドに使う。贈り物カードの価値によってラウンドの終わりに使者のボーナスがあるので、それも踏まえてアクションを選択しなければならない。こうして、したいアクション、できるアクション、更に(後のことを考えたら)するべきアクションが分かれ、手持ちの使者の数も踏まえて選ぶのはたいへん悩ましい。
全員が贈り物カードを使い切ったらラウンド終了。4ラウンドで最後に最終決算をして、勝利点の最も高いプレイヤーが勝つ。
4人プレイで2時間。ワーカープレイスメントではないが、誰かが選ぶほど贈り物の価値がだんだん上がっていって選びづらくなるので、自然と各プレイヤーに重点的なアクションができた。私は大運河のアクションで2倍の使者を2ラウンド目に、追加の贈り物カードを4ラウンド目にゲットしたが、いざというときに使いこなせず、コストのかからない旅でお茶を濁すという場面が多くて3位。1位は翡翠を5個集めた畠山さん。今回、翡翠は布告によってさらに得点が入るようになっていた。
コンポーネントに言語依存はないが、ものすごい数のアイコンがある。プレイヤーボードのサマリーもびっしりとアイコン化されていて面食らうが、分かりにくい処理はほとんどない。その分、選択の悩ましさが際立つ作品である。
Gùgōng
ゲームデザイン・A.シュテーディング/イラスト・A.レーシュ、N.アーデルマン
ゲームブルワー(2018年)
1~5人用/12歳以上/60~90分

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