先に財宝を見つけて叩かれ
財宝いっぱいの島にたどり着いた探検隊。隊員はそれぞれ行きたい場所が違うが、安全のため全員行動を共にしなければならない。行き先は、競りで決める。
『ダイヤモンド』のフェデュッティとムーンのコンビに、『ウィングス・オブ・ウォー』のデザイナーコンビが加わって作られた作品で、この顔ぶれを見れば、アークライトが日本語版を発売したのも分かる。メーカーはフランスの新参、ファンフォージ社。
競りは、希望する行き先にコマを置いて、競り値を言う。別の場所に行きたい人は、より高い競り値を言わなければならない。1人だけになったら、その行き先に至る道に対応するカード(砂漠ならラクダ、山地ならヤク)を、競り値の分だけ支払う。
各プレイヤーには財宝カードと呪いカードが配られており、「ローバニスに行けば+5点」「オズタキトルに行けば−4点」(地名が分かりにくく、ボードにカタカナで書いてあるのはありがたい)など、行きたい場所と行きたくない場所がある。競りで毎回頑張ることはできないので、ほかの隊員にうまく相乗りするのがポイント。
もうひとつ、相乗りしたほうがいい理由がある。競りで使う冒険カードの中には、相手の財宝カードを奪ったり、冒険カードを捨てさせたり、呪いカードを押し付けたりする直接攻撃のカードが混じっている。序盤に目立った行動をして宝物を公開すると、確実に叩かれるだろう。出る杭は打たれる。そうならないように、相乗りして目立たないように。
でも目立たないようにしているだけでは勝てない。複数の隊員の思惑が一致すると、同じエリアをぐるぐるまわっているだけになり、ゲーム中1回も立ち寄られない場所も出る。力を貯めているうちにゲームが終わらないよう、空路(どこにでもワープできる)などで一気に決めたい。
財宝カードと呪いカードが同じ場所になるという不運をアピールして攻撃を交わす序盤。しかし財宝カードにボーナスをつけて1位になってから、激しいトップ叩きに遭い、そのままずるずると最下位。1位は、終盤まで目立たないようにして一気に財宝を見つけたぽちょむきんすたーさん。
財宝カードの補給が少ないため、ひと通り見つけた後は、次の財宝カードを引くまでただのお供になったり、いつも結託してい(るように見え)たり反目していたり、同じ探検隊の中にドラマがあった。まことに人間的なゲームである。
Isla Dorada
A.アンジョリーノ、B.フェデュッティ、A.R.ムーン、P.G.パグリア/ファンフォージ(2010年)―アークライト(2011年)
3〜6人用/14歳以上/60分
黄金の島イスラ・ドラーダ 完全日本語版