世界のボードゲーム愛好者が集うデータベースサイト「ボードゲームギーク」で3月下旬、R.クニツィアの作品が上位100タイトルから消滅していたことが、愛好者の指摘で判明した。その後『チグリス・ユーフラテス』がかろうじて90位代に復帰したものの、愛好者に衝撃が走っている。
R.クニツィアはドイツのボードゲームデザイナーで、ボードゲームギークには667タイトルが登録されている。2000年代の最盛期には100位以内に『チグリス・ユーフラテス』『ラー』『サムライ』『タージマハル』『モダンアート』『アメンラー』『バトルライン』『インジーニアス』『砂漠を越えて』など約15タイトルがランクインし、デザイナー別でダントツの1位だった。
100位から転落した原因としては、近年の新作リリース急増で旧作が顧みられなくなっていること、一世を風靡したクニツィア作品が絶版になっていること、近年のクニツィアの軽ゲー指向と重ゲーを好むBGGユーザーとの乖離、全般的なプレイヤーの嗜好やトレンドの変化などが指摘されている。
イギリスの愛好者グループのアンケートでは、2019年からボードゲームを始めた愛好者の35%以上がクニツィア作品を一度も購入したことがない一方、3年以上ボードゲームを趣味にしている愛好者の22%が6タイトル以上のクニツィア作品を所有しているという(下記リンク)。ズィーマンゲームズ(カナダ)によるクニツィア作品などの復刻「ユーロクラシック」シリーズは昨年終了した。最近ボードゲームを始めた日本の愛好者間では「クニツィア=つまらない」という認識があるという報告もある。
とはいえクニツィア作品のリリースは続いており、今年アレーキャットゲームズ(イギリス)が『アメンラー』のリプリントを、コスモス社(ドイツ)が『マイシティ』の続編『マイアイランド』の発売を計画している。日本では『バイキングシーソー』『ギャラクシーねこのばし』『TATARI』などオリジナル作品を発表し、高い評価を得ており、クニツィアブームの衰退ではなく、嗜好の多様化と捉えたい。
ちなみにボードゲームギーク上位100タイトルで現在最も多くランクインしているデザイナーはU.ローゼンベルクで、『オーディンの祝祭』をはじめ7タイトル。ほかの著名デザイナーも2~3タイトル程度で、W.クラマーは『エルグランデ』のみ、K.トイバーもA.ランドルフもS.サクソンも入っていない。
BGG: There is no longer a Knizia game in the top 100…So long, and thanks for all the fish.
2007年ではBGGのクニツィアのトップ10は以下のようになっています。
(Mixiのクニツィアコミュニティのデータより抜粋)
既にチグリスユーフラテスが4位に転落していますね。
最盛期のころはトップ100のなかに17−18くらいクニツィアが占めていました。
2007年でも58位が「指輪物語対決」なので15ゲームくらいはトップ100に入っていたと思われます。
2007.12.13のトップ10
BoardGameGeek(評価/BGG全体の順位)
チグリスユーフラテス 8.12 / 4
ラー 7.81 / 14
タージマハル 7.61 / 29
サムライ 7.60 / 31
モダンアート 7.56 / 35
アメンラー 7.50 / 47
指輪物語 対決 デラックス版 7.47 / 51
バトルライン 7.45 / 55
頭脳絶好調 7.44 / 56
指輪物語 対決 7.42 / 58
2009年までしか遡れなかったので、貴重な情報ありがとうございます。mixiはアーカイブとして貴重ですね。記事に反映しておきます。