ベジエゲームズ(アメリカ)が来月発売する『ワーワード(Werwords)』が、オインクゲームズ(日本)の『インサイダー・ゲーム』のルールと酷似していることが、ユーザーからオインクゲームズへの問い合わせで判明した。同一のルールではないため著作権上の問題はないものの、制作者のモラルが問われている。
『インサイダー・ゲーム』は2016年にオインクゲームズから発売され、10月のシュピールにも出展された。「マスター」にイエスかノーの質問をしていってお題を当てるゲームで、プレイヤーの中に「インサイダー」がおり、お題を知っていて正解にたどり着くことを導く。時間内に正解できればみんなで「インサイダー」を当て、正解できなければ全員の負けとなる。日本ボードゲーム大賞の投票部門で国産最高位になり、品薄が続くなど、国内での人気が高い。
一方、ベジエゲームズの『ワーワード』は、「市長」にイエスかノーの質問をしていってお題を当てるゲーム。プレイヤーの中に裏切り者の「人狼」と、協力者の「予言者」がおり、どちらもお題を知っていて正解にたどり着くことを妨げたり、導いたりする。時間内に正解できれば「人狼」が「予言者」を当て、正解できなければみんなで「人狼」を当てる。進行はスマホのアプリを使い、「市長」が人狼になる可能性があり、お題は知らないが人狼や予言者を知っている役職を追加できる。
『インサイダー・ゲーム』のライセンスについて、ベジエゲームズから昨年秋にオインクゲームズに問い合わせがあったという。しかしオインクゲームズはドイツ支社を設立して自社で国際展開をしているため、ライセンス契約を断っている。その状況での『ワーワード』の発表であり、『インサイダー・ゲーム』を換骨奪胎した可能性が高い。
オインクゲームズは両作品が似ているかどうかはユーザーの判断に任せるとしつつ、「このような出版が相次げば、心を込めてゲームを作っているゲームデザイナーが、それをコピーする人たちに取って代わられてしまう」と懸念を述べている。またイギアリゲームズ(フランス)もツイッターでこの件について言及し、「ライセンスを得ていないことにショックを受けた」と述べている。
ベジエゲームズは『ワンナイト人狼』や『エイジ・オブ・クラフト』(『コロニー』)など日本のゲームの英語版を手がけており、それぞれライセンス契約をした上でルール改定やリメイクを行ってきた。今回、ライセンスを取得できずに酷似した作品を発売することに、出版社としてのモラルが問われている。
I just learn that Werewords from Bezier Games was a copy of Insider from @oinkgms because they don't get the licence of this game. Shocked ! pic.twitter.com/40Xs7aF2aY
— Raph d'IgiariGames (@Lheartiste) 2017年6月12日
ウェアワーズ (Werewords) ですよ。