適当に話を合わせるスキル
シチュエーションを交えた会話を通して、みんなの中に1人紛れ込んでいるスパイを暴き出すロシアのコミュニケーションゲーム。昨秋に日本語版がヘムズ・ユニバーサルゲームズから発売された。
場には袋ごとに「軍事基地」「宇宙ステーション」「ナイトクラブ」「映画撮影スタジオ」などのロケーションカードが入っており、その中から1袋を引いて、裏のまま全員に1枚ずつ渡す。スパイカードが1枚だけ入っており、スパイカードを受け取った人以外は今どこにいるか分かるという仕組みだ。
ゲームは、ランダムに人に質問をすることで進める。「昨日の夜は何してましたか?」「仕事ですよ」「ここにはどれくらいの頻度で来るんですか?」「しょっちゅうですね」 スパイはロケーションが分からないから、適当に話を合わせる。ほかのプレイヤーは、自分がスパイでないことをアピールするために、そのロケーションにふさわしい回答をする。
しかしあまりロケーションが分かりすぎる回答をしてはいけない。というのも、スパイはいつでも名乗り出で、どのロケーションなのかを当てることができるのだ。当たったらスパイが勝つ。このルールのために、みんなどこともつかない微妙な会話を繰り広げるのがおかしい。
制限時間が来たら、スパイだと思う人を一斉に指さして、多数がスパイを指させればエージェントの勝ち、間違った人をスパイに選んでしまったらスパイが勝つ。
6人で4ゲームほどプレイ。1ゲームは5分くらいで遊べる。スパイは堂々としていたほうがよいが、調子に乗って余計なことを言うとばれてしまうのが難しい。そのためスパイが毎回特定される展開。今回スパイとしては唯一、hataさんが「手術室」というロケーションカードを当てた。「どんな服を着ていますか」で、白衣と答えればばればれなので、「灰色」と答えたところから手がかりをつかんだらしい。
スパイになると、全く分からない状況で会話についていかなければならない。実社会でも求められる「どんな話題でも話を合わせるスキル」が磨かれるゲームである。
Spyfall
A.ウシャン/ホビーワールド(2014)+ヘムズ・ユニバーサルゲームズ(2015)
3~8人用/13歳以上/15分
Hemz Universal Games:スパイフォール