ケンブルカスケード(The Battle at Kemble’s Cascade)

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じっくり攻めるシューティング
ケンブルカスケード
レトロなコンピュータシューティングゲームを題材にしたボードゲーム。敵機を撃ち落とし、隕石を避けてボスに臨む。
画面が下に流れていくスクロールは、トレイにタイルを並べて表現している。ラウンドが終わるごとに、一番下のトレイを取り除き、新しいタイルを置いて一番上に置く。こうすることで、遠くにいた敵が近づいてくるのである。ちなみに一番下のトレイにいた戦闘機はスクロールアウトせず、強制的に1つ前のトレイに移動する。よけきれないと前にある隕石や、味方の戦闘機にぶつかってしまう。
さて自分の手番にはまず移動と攻撃が1回ずつできる。移動はタテ・ヨコ・ナナメに1マス。攻撃は一方向に一番近い敵機に一発。最初は武器がしょぼいので、方向を変えるのにもエネルギーを使う上に、1ダメージしか与えられない。しかし敵機を倒すと「ベロニウム」という鉱石(このゲームのお金)が入り、これで武器をグレードアップすれば、方向やダメージを増やすことができる。
さらにエネルギーを費やすことにより、移動か攻撃が2回まで可能。その後、敵機の攻撃を受ける。周囲8マスにいる敵機からそれぞれ1ダメージずつ。そのほかに遠距離攻撃ができる敵機も存在する。
ダメージはすぐに受けず、一旦マーカーで記録しておいて、次の手番にその分だけエネルギーを減らす。エネルギーがゼロになるとやられて次の戦闘機を出さなければいけなくなるが、次の手番までに回復できるのがポイントで、それで生き延びたり、最後の攻撃を加えたりできる。特に最後のボス戦は、ボスに近づくだけで大ダメージを食らうので、ダメージとエネルギー消失のタイムラグを使って、何機かを犠牲にしないと倒せないだろう。
ケンブルカスケード(プレイヤーボード)
得点は、中ボス・大ボスを倒したり、与えられたミッションを達成したりすることで入ってくるが、一番大きいのが、ほかのプレイヤーの戦闘機がやられたときに生きていると2点という得点。このためできるだけダメージを回避して、とにかく生き残ることが大事である。
ほかにも、パワーカードを途中で取って1回限りの特殊効果を使えたり、ワープゾーンで窮地を脱出したりするといった有利な出来事も盤上に出てくる。特にパワーカードの使いどころが生死を分けるだろう。
最後にボスが出てきて、これを倒すか、スクロールして消えていくとゲーム終了。ボスは複数のタイルにまたがっており、部分的に倒していくしかない。その戦力は絶大だが、何機かやられていくうちに少しずつ打ち崩していく。倒したときの爽快感はたまらない。
3人プレイで90分。ミッションが強制スクロール4回というものだったので、前の方にいかないで耐える。前方に隕石や敵機が並んで絶体絶命のピンチに陥ったが、karokuさんが周囲を巻き込んで自爆するパワーカードを使ってくれたおかげで窮地脱出。そこからは死なないように逃げてボスまで生き延びた。その間にふうかさんとkarokuさんが何度かやられてくれて入った得点で1位。武器のパワーアップが遅れたので、ボスには大したダメージを与えられず、karokuさんに倒してもらった。
どの方向に移動して、どれに攻撃すればダメージが少ないか、あるいは休んで武器をパワーアップしたほうがよいか、さまざまな選択肢をじっくり考えていくゲーム。超スローモーションでシューティングゲームをやったらこんなふうになるのかもしれない。
The Battle at Kemble’s Cascade
ティルランド兄弟作/ズィーマンゲームズ(2015年)
2~5人用/13歳以上/70~90分

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