疑心暗鬼のコックピット
フライト中に機長が謎の突然死を遂げた。クルーの中に裏切り者がいるらしい。裏切り者が入らないよう、信頼できるクルーを選んで、コックピットに入れようというゲーム。オランダのクワリ社(オランダ)が今流行りのクラウドファンディングで昨年発売した。飛行機が海の藻屑と消えるか、無事に帰還できるかは、推理と心理戦にかかっている。
プレイヤーの中で、2~3人が裏切り者となる。これは各自に配られ、ゲーム中伏せておく3枚のカードで表され、3枚中2枚が裏切り者カードなら裏切り者、3枚中1枚が裏切り者カードなら正規クルーということになる。正規でも1枚は裏切り者カードをもっているところがポイントで、2枚見ても正体がまだ分からないことがある。
全員が目を閉じて、裏切り者がお互いを確認したらゲームスタート。
ゲームは、投票によって信頼できるクルーをフェイズ1で3人に絞り込み、フェイズ2ではその中から2人、そしてフェイズ3で1人に絞り込んでいくという消去法で進められる。まず各自が両隣のプレイヤーのカードを1枚ずつ見て、それが何だったかをマーキング。各フェイズでも、指定されたプレイヤーがカードを1枚見て、マーキングしてから投票を行う。
正規クルーはカードの中身を正直にマーキングしなければならないが、裏切り者は嘘をついてもよい。したがって裏切り者は、正規クルーに裏切り者マーカーを置いて、そのプレイヤーが裏切り者であるかのように見せかける。正規クルーが見たものと食い違うとき、必ずどちらかが裏切り者だということになるが、果たしてどちらが裏切り者なのか? 推理のしどころだ。
投票も手がかりとなる。攻撃か防御を選んで一斉にオープンし、防御が同数以上なら信任、攻撃が過半数ならば不信任となる。裏切り者としては、仲間の裏切り者に防御カードを出して信任してもらいたいところだが、あからさまにやっては、裏切り者だとばれてしまう。最後まで残った1人が裏切り者だったら、裏切り者の勝利。
最後の1人が正規クルーでも、ゲームはまだ終わらない。再びマーキングした後、その人が誰かを指名するというのを繰り返して、全ての正規クルーを間違わずコックピットに入れなければならない。途中で1回でも裏切り者を指名してしまったら裏切り者の勝利となる。
5人プレイで30分ほど。1ゲーム目はtomokさんの嘘から芋づる式にbashiさんもばれて正規クルーの勝利。ベテランカード(ゲーム中に特殊効果がある)を使った2ゲーム目は、中盤で鴉さんが裏切り者だと判明したが、もう1人が分からない。その1人は、盛んに鴉さんを叩いていたぽちょむきんすたーさんだった。みんなすっかり騙されてコクピットに入れてしまい、裏切り者の勝利。
嘘つきが本当のことをいう場合もあるので、ブラフと推理がほどよくミックスしたゲームとなっている。1人ずつ消去法で絞りこまれていくという仕掛けもスリリングで面白い。
Mayday! Mayday!
C.v.モーセル/クワリ(2013年)
5~8人用/10歳以上/25分
ゲームストア・バネスト:メイデイ!メイデイ!