宝石を増やして得点を競うゲーム。同じアクションを選択したときは、どちらがアクションできるか競りをして決める。足元を見まくったシビアな競りがしびれる作品だ。ボードゲーム版が1998年にFXシュミット社から発売され、2003年にアレアが『宝石商(Edel, Stein & Reich)』というタイトルでリメイクした。今回のリメイクはボードゲーム版に近い。
毎ラウンド、各自1枚ずつカードを引く。カードには労働者、得点、宝石の3つが書いてあって、それを見てこのラウンドのアクションを選択する。アクションはカードをもう1枚引いて労働者を増やす、得点をもらう、場の宝石をもらうの3択(5人プレイでは宝石を交換するというアクションが加わって4択)。選んだアクションは裏向きに出して、一斉に公開する。
誰ともバッティングせず、自分だけが選んだアクションはそのまま実行できる。2人が同じアクションを選ぶと、手持ちの宝石を使って競りを行う。3人以上が同じアクションを選ぶと、誰もできないで終わりとなる。
競りに使う宝石は、価値の高い順に赤、黄、緑、青の4種類。相手の提示より数を増やすか、価値を高くして競り上げていき、相手が降りたら宝石を渡してアクションを行う。この宝石は、得点計算のとき種類別に一番多いと得点になるので、余計にあげたくないところ。「青ばっかり!」「でも黄色は1個も出したくないでしょう?」「じゃあ泣く泣く緑を投入して…」「赤を諦めたらいいんじゃないですか」……ほかのプレイヤーの手持ち状況を見つつ、お互いに足元を見て宝石を提示しあうのは、このゲームの醍醐味だ。
アクションが終わったらまた1枚ずつカードを引いてアクションを選択する。これを繰り返し、誰かの労働者が累積15人になったら1回戦終了。得点計算となる。得点計算では宝石の種類別に一番多い人だけが得点し、得点した人は半分を場に返す。また労働者が15人以上になった人も得点をもらえる。これを3回戦繰り返して合計得点の高い人が勝ち。
5人プレイで45分くらい。赤と黄色の宝石が場に出回らず、緑と青の宝石が石ころのように取引された。青の宝石をたくさんもっている人が、わざと誰かが選びそうなアクションを選んでバッティングさせ、そのアクションしたさに別の色の宝石を吐き出させるというような戦術も取られ、アクション選択が一層悩ましくなった。労働者の数が運任せなのはカードゲームならではのこととして、それも含めて煩瑣な手続きがなく、競りに集中できて楽しめた。
参考:3ゲームのアクションの比較
バサリ | 宝石商 | バザリカードゲーム | |
A | ダイス | お金(得点) | カード |
B | 得点 | イベント | 得点 |
C | 宝石 | 宝石 | 宝石 |
D | ― | 宝石の交換 | 宝石の交換 |
Basari: Das Kartenspiel
R.シュタウペ/ニュルンベルガーシュピールカルテン(2014年)
3~5人用/10歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:バザリ・カードゲーム