皆一斉に分かる瞬間
今年ブームとなった『人狼』だが、手がかりがなくて誰に投票したらいいか分からないという方もいるようだ。公開されている手がかりがないことが、コミュニケーションゲームたる所以である。一方、手がかりがあれば推理ゲームとなるわけであって、そのひとつがこの『おおおおかみ!』である。今年のシュピールで発表され、フェアプレイの人気投票で中間発表にランクインしていた。出版社は香港。
登場するのは狼、羊飼いの少年、狩人、犬、羊。キャラクターカードが2枚ずつ配られ、数字の大きいほうが自分のキャラクターとなる。例えば狼カードと羊カードが配られれば狼、狩人と犬が配られれば狩人、羊と羊が配られたときだけ羊。この仕組みによって狼は必ずいるが、そのほかのキャラクターは、いないこともあるという状況が生まれる。
このゲームはチーム戦ではなく、各自キャラクターに応じたターゲットを当てることになる。狼なら羊が誰か(あるいは誰もいないか)、狩人なら狼と犬は誰か、というように。
自分の番には、誰かのカードを1枚こっそり見るか、質問カードで質問する。こっそり見た場合は、それが何だったかチップを置いて表示しなければならない。このとき、羊飼いの少年は何を見ても狼にしか見えない。また、上級ルールでは羊の皮をかぶった狩人とか、ややこしいカードも入っている。そのため、置かれたチップと中身が違うことがあるのがポイントだ。
質問カードは実際のキャラクターを聞くものと、もっているカードを聞くものがある。キャラクターを聞くものは「AかBかCのいずれか」というところまでしか聞けず、カードを聞いてもみんなに知られてしまうので使いづらい。
自分のターゲットが分かったと思ったら、円盤を使って表示し、ゲームから降りる。3人降りたらラウンド終了で、残りの人も円盤で表示してから答え合わせ。正解者は得点が入るが、先に降りたほうが高い。3ラウンドで合計得点を競う。
6人プレイで30分ほど。羊飼いの少年が誰か分かるまでは動けないが、1人が分かったことを手がかりに、ほかの人も分かるという展開でラウンド終了はいきなり訪れる。最初の1人が間違っていたら共倒れだが、自分の知っている情報もあるので正解率は高かった。間違わないで推理し、羊飼いの少年ボーナスを集めたtomokさんの勝利。
Wooolf!
ボノ・ライト作/キャプストーンHK(2013年)
4~8人用/8歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:おおおおかみ!