誰ももっていない札はどれ?
春・夏・秋・冬、各4枚の絵札の中から、ない札を当てる推理と記憶のカードゲーム。ゲームマーケット2013秋で初出展となる桜遊庵から発売された。記憶が曖昧になっていく中で、間違えたら即脱落のシビアさがしびれる。
各季節には1が2枚、2と3が1枚ずつで合計4枚ある。ここから1枚(3人プレイでは2枚)抜いて、「梅雨」のカードを加えて全員に配る。自分の番になったら1人指名して、「春の合計はいくつですか?」というようにひとつの季節の数字の合計を聞くか、「3は何枚持っていますか?」というように1種類の数字の枚数を聞く。このとき自分の手札を1枚公開する。
数字が1,1,2,3とあるのが絶妙で、季節の合計が4と言われても、1,1,2なのか1,3なのか分からない。後は自分の手札や、ほかの人が公開しているカードを参照して絞り込んでいく。例えば自分の手札に2があるのだったら、相手は1,3ということになる。上手な質問がカギとなる。
こうして消去法で絞り込んでいき、予め抜かれたカードが何か特定できたらチャレンジ。季節と数字を言って、カードをこっそり見て、当たっていたら得点。外れたらこのラウンドは脱落となる。外れてもゲームは続行となるが、あたったときの得点が下がっていく(サイコロで記録)。
S.サクソンの『スルース(1967)』を彷彿とさせる内容だが、一番の違いはメモを取ってはいけないこと。たかだか16枚と侮ってはいけない。誰が何を聞いたかまで覚えておくのはなかなか難しい。
プレイしたことのあるふうかさん、karokuさんと3人でプレイ。2枚カードを当てなければいけないので難易度が高い。要領を得ない質問をしているうちに2人がどんどん正解していく。そのうち何巡目で分かるかが飲み込めてきたのでチャレンジしてみたが失敗。結局私は1回も当てられないまま、karokuさんの勝利に終わった。
シビアなゲームではあるが、花札調の絵柄の雰囲気がよく、まるで伝統ゲームのように優雅に楽しめた。
春夏冬中
折口日向/桜遊庵(2013年)
3~4人用/10~20分
桜遊庵:春夏冬中(あきないちゅう)