『GameLink』8号で私の連載記事「最新ゲーム事情」に、ドイツのボードゲームサイトが行ったカードセットコンテストの結果を載せた。その1番目が「8歳でも遊べるセット」。基本セットから木こり、村、祝祭、研究所、市場、鍛冶屋、陰謀セットから大広間、ハーレム、手先、貴族という、効果の分かりやすいものを使う。
もともと子供と遊びたいと思っていたこともあって、このセットならできるかな?と思い、9歳の長女と遊んでみた。どのカードを買うかはサジェッションが必要だが、絵柄がきれいなのと、限られたお金でお買い物をするのが楽しいようで気に入ってくれた。負けず嫌いの長女は、ボードゲームをあまり遊ぼうとしないが、『ドミニオン』はゲーム中に勝敗が見えないのがいいようだ。
それからしばらく経ってボードゲームをしようかと誘うと、『ドミニオン』ならやるという。それではと未プレイの『繁栄』を出したところ、確か未開封だったはずなのに開封されており、種類別に仕分けまでされている。長女が私のいないところでやっていたらしい。何だか嬉しい。
というわけで『繁栄』をプレイ。出した財宝カードの枚数×1金の「銀行」、捨札から好きなだけ銅貨を戻せる「会計所」など、お金がどんどん増える財宝カードが入っており、買うものもコスト9で5金の「白金貨」、コスト11で10点の「植民地」という高額なカードが入っている。お金だけでなく、「記念碑」など出すたびデッキ外に勝利点が貯まるカードもあって楽しい。お買い物感がさらにアップして長女は「何買おうかなー」と楽しんでいた。結果は私の勝ちだったが、長女の「記念碑」がよく働いて前回よりずっと僅差となった。負ける日も近い。
都内では「ドミニオンをゆるゆる遊びましょうの会」略して「ゆるドミ会」というのが定期開催されている。こちらは会を重ねるごとにガチになっている部分もあるようだが、カジュアルに遊べるのも『ドミニオン』の魅力だと思う。一昨年、ドイツ年間ゲーム大賞を受賞したときはフリーク向けではないかという声も多かったが、なかなかどうして、普段ボードゲームをしない女の子でも楽しめる、懐の広いゲームなのである。