先の先を読んでマンモス狩り
どんどんなくなっていく足場に気をつけて、食料や装飾品を集めるボードゲーム。R.クニツィアがアミーゴから発売する大箱ボードゲームは、『ツタンカーメン』(1993年)、『メディチ』(1995年)以来15年ぶりのこと。しかもアミーゴ初の正方形大箱(コスモスやツォッホのサイズ)で期待を寄せていた。その期待に違わず、シンプルながら奥の深いゲームであった。ただしゲームは完全な新作ではなく、昨年にアメリカから発売された『ゾンビゲドン』のリメイクである。
ゲームは春と冬に分かれる。春のタイルをボード上に並べ、4ヶ所の春のスタート地点にコマを置いてスタート。手番には2回移動できて、1つのコマを2マス進めてもよいし、2つのコマを1マスずつ進めてもよい。そして移動前のタイルを取る。
タイルには、得点がついている食料(1〜3点)と、得点が付いていない装飾品(同じ種類を集めれば集めるほど得点アップ!)、武器、そしてマンモス(4〜8点)がある。マンモスタイルには武器を持っていないと入ることができず、武器を捨てて代わりに取る。
移動の途中で、4ヶ所ある冬のスタート地点に立ち寄らなければならない。立ち寄れないと、その分だけ後半のコマが減る。すでにタイルが取られたマスには入れないので、後れを取ると足場がなくなって立ち寄れなくなってしまう。石畳(通過してもなくならない)や洞窟(ワープ!)の位置をよく見てルートを確保しておきたい。
みんな移動できなくなると春が終わり、冬になる。空いているマスに冬のタイルを並べ、春に寄っておいた冬のスタート地点からスタート。冬は武器が減って、マンモスが増えるので、春のうちに武器を蓄えておかないと苦しい。
同じことを繰り返して、冬が終わったらゲーム終了。冬の間も、再び春のスタート地点に立ち寄ると得点になる。それまで獲得したタイルを公開して合計の多い人が勝ち。
足場はどんどんなくなっていくので、どこを優先的に取るかをじっくり考えないとすぐ行き詰まる。ほかの人のコマの動きをよく見て、スタート地点までのルートやマンモスを先に取られないように注意しよう。
洞窟を上手く使って効率的に集めたcarlさんの勝利。tomokさんと私は1箇所スタート地点に行きそびれて、3位と4位。目先の得点に惑わされない大局観をもっともつとよかったが、それに気づいたのは冬になってからだった。
ほかの人の動きによって手番の選択肢は変わるものの、獲得したタイル以外は全て公開情報で運の要素はないので、先の先の状況を読む力が求められる。やることは単純だが、考え始めると実に奥が深い。『オイそれはオレの魚だぜ!』や『砂漠を越えて』のようなゲームが好きな方に。
Jäger und Sammler
R.クニツィア/アミーゴ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/45分
(写真の上にマウスを置くと、終盤の場面に変わります。)