インドでの思いがけない出会いが映画。多くがボンベイ(現ムンバイ)で作られているのでボリウッド映画と呼ばれ、人口10億人のインドだけでなく東南アジアやアラビア諸国に輸出されて観客数はハリウッド映画をしのぐと言われる。1作約3時間という長さと途中に必ず入るダンスが特徴。
これらの映画について調べているうちに、映画とボードゲームとの奇妙な共通点に気がついた。
- 監督=デザイナー……有名な監督が作ればそれだけで話題になる。しかしそれが常に面白いとは限らず、ハズしたときには普通の映画以上の酷評にさらされることになる。最近のトイバーやクニツィアなんかがそんな感じだ。
- 筋書き=システム……古典的な筋書きでも、一工夫加えるか否かによって陳腐にも斬新にもなる。しかし手の加え方がまずいとオリジナル以上に悪くなることも。オリジナリティといっても、全く未知のものではなくて従来品のアレンジなのである。
- 俳優=コンポーネント……どんなにすぐれた筋書きでも、出てくる俳優が安っぽいのでは台無し。一目で心を惹くぐらいの魅力があるとよい。美しいイラストや質感のあるコマは不可欠だ。
- 1回性……ここが強調点だが、たいていの映画は1回しか見ない。2回以上見るのはよほど面白い映画か古典的名作に限られるだろう。面白い映画は見るたびに別の魅力を投げかける。それが深さというものだ。この頃のボードゲームも、1回しか遊ばない場合が非常に多い。よほど面白いか、古典的名作でもない限り2回以上遊ぶのは稀だ。理由は次々と新作が発表されるからだが、本当の理由は何度も遊びたいと思わせる魅力をもったゲームが少ないからだと思う。
このことから引き出した結論は、「カードゲームは気軽に買ってもよいが、ボードゲームは慎重に」である。映画代が1,800円だとして、それぐらいの値段のカードゲームならば1回遊んでつまらなくても財布は痛くない。しかし5,000円を超えるボードゲームは3回遊ばなければ元が取れないことになる。しかし皮肉なことに、カードゲームは気軽に何度も遊べる一方で、ボードゲームを何度も遊ぶのは相当な時間とエネルギーを要する。
棚を見てみると1回しか遊んでいない、あるいは1回も遊んでいないボードゲームがたくさん…悲しいことだがこれが愛好者の性というものだろうか?