裏切りの理由
マフィアのボスがメンバーの裏切りを見抜くカードゲーム。ゲームマーケットで発表している同人サークル「青い街」の作品で、『Ungerade』『Paar』とドイツ語タイトルシリーズが続いている。今回のタイトルの意味は「理由」。マフィアがボスを裏切る理由は、理屈だけではない。
ボス以外のプレイヤーにカードを7枚ずつ配る。ここから2枚を表にして捨てて、残る5枚を手札にする。カードには白いカードと黒カードがあり、白いカードのほうが多ければボスへ忠誠を、黒いカードのほうが多ければ裏切りを表す。
ボスは任意の順番で1人を指名し、その人の捨てたカードを見て、忠誠か裏切りかを当てる。忠誠の場合は、当たれば両者とも得点、裏切りの場合は、当たればボスだけ得点。いずれも外れたらメンバーのみが得点する。得点は裏切りの場合のほうが断然高く、裏切りの誘惑に絶えず駆られることになる。
カードの構成は分かっており、白と黒の枚数が半分ずつ。でも毎回2枚が場に出てこない。指名されたメンバーは手札を公開するので、徐々に残りのカードが分かってくるのだが、2枚出ていないために、一か八かという場面に何度も遭遇する。そのときは、枚数からの推理ではなく心理戦だ。「あなたには果たして、私を裏切る度胸があるのか?」
ボスを交替して1周し、得点の多い人が勝ち。
5人プレイで15分ほど。「絶対裏切りませんよ!」「いや、怪しいな。裏切り!」「忠誠でしたー。だから言ったじゃないですか!」ストレートに行くか、裏をかくか、裏の裏をかくかでボスもメンバーも選択が悩ましく、非常に盛り上がった。ボスになってばしばし当てられると愉快だが、ほとんど外れてしまうことも。外れたのを笑っていた人も、自分の番になってその苦しさを味わうのだった。最小限のカード構成で面白いとみんな絶賛だった。
Grund
スギオカカズキ/青い街(2014年)
2-5人/10歳以上/5-10分
青い街:Grund