ドイツゲーム用語辞典
1.データ:ゲームの外箱などに記されているもので、選ぶ際の判断基準になります。
タイトル Titel(男)
ゲームの名前。テーマや内容がわかりやすいこと、語呂がよくて覚えやすいことが大事。これが売れ行きを左右することもある。日本で販売される場合には邦題をどうするか、翻訳者の腕の見せ所となる。
デザイナー Autor(in)
原意は著者であるが、ゲームにおいては作者を指す。ドイツゲームを選ぶときに、最も注目するべき項目である。クラマー、クニツィア、トイバーが御三家。90年代に入ってからのブームで、ようやく食べられる職業になりつつある。
出版社 Verlag(男)
メーカーともいう。多くは有限会社(GmbH…Gesellschaft mit beschraenkter Haftung)で細々と経営しており、倒産や合併が盛んな過酷な世界でもある。
イラスト Grafik、Graphik(女)
ゲームのデザインとは別に、箱やボードの絵を描く仕事。デザインに負けず劣らず、ゲームの売れ行きを左右する。ほのぼのとした作風のD.マテウスと、写実的で迫力のある作風のF.フォアヴィンクルが双璧。
年齢 Alter(中)
ゲームの対象年齢で、難易度をはかる目安。多くのゲームは5歳以上(子供ゲーム)、8歳以上(ファミリーゲーム)、10歳以上(中級戦略ゲーム)、12歳以上(上級戦略ゲーム・大人用ゲーム)のいずれかに分類される。
人数 Anzahl(女)、Spielerzahl(女)
ゲーム可能な人数。多くのゲームは4人前後になっている。あくまで可能な人数であり、最適な人数はもう少し絞られることが多い。人数が1人変わっただけで印象が全く変わることもあるので注意したい。
時間 Dauer(女)
標準的な遊び方をした場合のゲームに要する時間。ルール説明や準備は含まれていない。ドイツゲームは一般に1時間以内に終わるものが好まれ、ルールの複雑なゲームも長引かない工夫がされつつある。
値段 Preis(男)
ゲームの値段。2002年からユーロで表示されるようになった。国内で入手できるようになるまでにはさらに送料が結構かかるということを銘記したい。
発売年 Jahrgang(男)
ゲームが発売された年。大きく分けて1980年前のシンプルなゲーム、80年代のアメリカンテイストが入ったゲーム、90年前半の斬新なスタイルのゲーム、90年代後半の戦略重視ゲーム、2000年前半のファミリーゲーム、2000年後半の複雑なゲームと、時代ごとに傾向がある。
受賞 Auszeichnung(女)
毎年すぐれたゲームに贈られる賞。批評家賞である「ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)」、一般人気投票で決められる「ドイツゲーム賞(Deutscher Spielpreis)」を二本柱としてたくさんの賞がある。
運 Glück(中)
ゲームの要素として運がどれだけ強いかをメーカーが示すことがある。運の要素が強いほど、戦略的な要素は限られ、手軽で気楽なゲームになる。ほどほどにあるべきというのがドイツゲームの基本姿勢である。
戦略 Strategie(女)
ゲームの要素として戦略がどれだけ強いかをメーカーが示すことがある。戦略の要素が強いほど、運の要素は少ない。じっくり考えて遊びたい人はこの要素が大きいゲーム(戦略ゲーム)を購入するとよいだろう。
要求 Anspruch(男)
ゲーム中にひとりのプレイヤーがやることの多さを示す。やることが多い(anspruchvoll 要求が多い)ほど、必然的に戦略的な要素が増える。初心者には敷居が高くなるが、その分経験者には歓迎される。
インタラクション Interaktion(女)
プレイヤーが相互に影響を与え合えるかという指標。少ないと1人ゲームのようになってしまい、皆が集まって遊ぶ意味が薄れるので、一般に相互作用が多いほどよいゲームとされる。
器用さ Geschick(中)
アクションゲームにおいて必要とされる能力の尺度。通常は単にアクションゲームであることを示すためだけに表示されているが、器用さが高いほど、子供には取っつきづらくなる恐れもある。
2.ジャンル・システム:ゲームの内容によるカテゴリー分けです。ひとつのゲームがいくつかのカテゴリーにまたがることもあります。
レースゲーム Renspiel(中)、Wettrennen(中)
一番早くゴールにたどり着くことを目的とするゲーム。主にサイコロを用いてコマを進める。F1、自転車、馬車、動物などが題材となる。相手を戻す、行く手をふさぐなど、よりエキサイティングなルールが追加されうる。『ウサギとハリネズミ』など。
配置ゲーム Legespiel(中)、Setzspiel(中)
カードやタイルを並べて得点するゲーム。並べられたカード・タイルにコマを配置することで得点になるものもある。相手プレイヤーを邪魔しながら、最適の配置を行う場所を考えることがポイントとなる。『カルカソンヌ』など。
アクションゲーム Geschicklichkeitsspiel(中)
手先の器用さで勝負を決めるゲーム。積み木を崩さないように積み上げる(抜いていく)バランスゲームやおはじきなど、その内容は多岐にわたる。ルールが簡単なので子供でも楽しめる。『ヴィラ・パレッティ』など。
交渉ゲーム Verhandlungsspiel(中)
プレイヤー同士がお互いに話し合って交換や売買を任意に行うゲーム。プレイ時間が長びくものが多い。相手の足元を見ることと、上手な話術がポイント。それゆえ勝者が悪人とみなされることも少なくない。『クーハンデル』など。
競りゲーム Versteigerungsspiel(中)
手持ちのお金やカードで、品物や権利のオークションを行うゲーム。他のプレイヤーの手持ちとその品物・権利の現在の価値を見極めながら冷静にビッドしていくことがポイント。熱くなりすぎないようにしたい。『モダンアート』など。
コミュニケーションゲーム Kommunikationsspiel(中)
プレイヤーそれぞれの思考を表明し合い、つきあわせるゲーム。初対面同士が打ち解けたり、場の雰囲気を盛り上げるのに有効。可能であれば異性がいることが望ましい。『ディクシット』など。
ダイスゲーム Würfelspiel(中)
ダイスの結果が直接的に勝敗に結びつくゲーム。手軽に盛り上がることができるため、その種類は他のジャンルを圧倒する。運だけにならないよう、戦略的な要素を加えたものも多い。『ブラフ』など。
カードゲーム Kartenspiel(中)
カードを置いたり、集めたり、揃えて役を作ったりするゲーム。カードの大きな特徴は何を引くかが運次第で、その分だけ手軽であるという点であろう。しかしどのカードが出ているか、出ていないかというカウンティングが勝敗を分けることになりやすい。
トリックテイキングゲーム Stichspiel(中)
順番に1枚ずつカードを出し、一番強いカードを出した人が全部を取るというカードゲーム。何が一番強いかはゲームによる。さまざまな変形がある。
ブラフゲーム Bluffspiel(中)
プレイヤー同士が嘘を付き合い、お互いに見破ることをめざすゲーム。ポーカーフェイスが有効なのは言うまでもないが、ゲームによっては嘘を見破る手がかりが出るものもあり、観察力も必要となる。『ごきぶりポーカー』など。
思考ゲーム Logikspiel(中)、Denkspiel(中)
相手プレイヤーの先の先を読んで、最も有効な一手を出していくゲーム。アブストラクトゲームと領域が重なることが多い。運の要素はないことが多く、知能と経験が勝敗を決めるので、実力差が出やすいため、ドイツゲームではあまり好まれない。
交換ゲーム Tauschspiel(中)
手持ちのカードなどを交換して、いちはやく同じカードを集めたり、点数の高い役を作るゲーム。『ピット』がそのはしり。単純で盛り上がるためパーティーゲームなどにも向いている。
協力ゲーム Gemeinschaftsspiel(中)、Kooperationsspiel(中)
プレイヤー全員が同じ目的のために協力するゲーム。結果は全員が勝つか、全員が負けるかのどちらかである。プレイヤー同士の順位は無視されることが多い。クニツィアの「指輪物語」で有名になった。
記憶ゲーム Gedaechtnisspiel(中)
裏返しになったカードなどの内容を覚え、その記憶力が勝敗につながるゲーム。思考ゲームよりももっと知能と集中力が要求されるが、中にはだんだんあいまいになっていく記憶を楽しむものも。
1人用ゲーム Solitaerspiel(中)
パズルなど、ひとりで解答を見つけていくゲーム。数はあまり出されていないが、ヴァリアントとして1人用ルールが記載されている思考ゲームがいくらかある。ちょっと寂しい。
2人用ゲーム Zweierspiel(中)
2人でしかできないゲーム全般をさす。自分の利益はそのまま相手の損失になることが多く(ゼロサム)、一方が勝てば一方が負けるので、緊張感のあるゲームになる。カップルで遊ぶ場合はその点を事前に注意しておきたい。
1対多ゲーム Alle-gegen-Einen-Spiel(中)
1人が鬼となり、残りの皆がそれを追いかける、またはそこから逃げるゲーム。『スコットランドヤード』など。
ファミリーゲーム Familienspiel(中)
ルールが簡単で子供からお年寄りまで一緒に楽しめるゲーム。戦略を重視した重厚なゲーマーズ・ゲームの対極に位置付けられる。21世紀のドイツゲームは、この方向と、ゲーマーズゲームの方向で二極化している。
キッズゲーム Kinderspiel(中)
ファミリーゲームよりもさらにルールが簡単で、就学前の子供でも楽しめるゲーム。近年教育分野での活用が認められてきており、各出版社が競って製作しているため一大ジャンルになろうとしている。
開拓ゲーム Besiedlungsspiel(中)
未開の新天地(島や大陸)を耕し、家を建てて、都市を作っていくゲーム。『カタン』で一躍有名になったテーマ。人口などの概念を導入し、都市開発シュミレーションになっているものも見られる。
経済ゲーム Wirtschaftsspiel(中)
お金をやりくりして、最もお金持ちになることをめざすゲーム。株、会社経営、工場経営など。社会の仕組みを勉強するために教育的なゲームも見られる。紙幣の金額で勝敗が決まる場合、途中経過がわかりにくい。『アクワイア』など。
鉄道ゲーム Eisenbahnspiel(中)
鉄道会社を経営して、鉄道網を張り巡らしていくゲーム。「1829」より始まった長大な時間を要する鉄道ゲームによって、経営シュミレーションの要素を持った独特のジャンルに発展した。
建設ゲーム Bauspiel(中)
より高く、より大きく建物などを作っていくゲーム。システムはバランスゲーム系、交渉ゲーム系、競りゲーム系、思考ゲーム系など多岐にわたる。作るものもビル、塔、道路などさまざま。
陣取りゲーム Mehrheitsspiel(中),ボード上で区切られたそれぞれのエリアで、最大多数を取ることなどによって支配する権利を獲得していくゲーム。中世・近世ヨーロッパを舞台にしたものが多い。いかに少ない人員で占領できるかがポイント。「エル・グランデ」など。
冒険ゲーム Abenteuerspiel(中)
未開の地をめぐって、財宝や名声などを獲得するゲーム。このテーマは男の子の永遠の夢と言える。本当の探検家になったつもりで遊ぶとよいだろう。『エントデッカー』など。
クイズゲーム Quiz-/Ratespiel(中)
問題を出してそれに答えるという形式で進むゲーム。プレイヤーが出題者となる場合と、あらかじめ問題が組み込まれている場合がある。前者の場合はコミュニケーションゲームの要素も出る。『バルバロッサ』など。
3.コンポーネント:ゲームの内容物・部品。形状によって呼称が変わることもあります。
用具 Inhalt(男)、Material(中)
ゲームのハード面を構成する用具。コンポーネントとも呼ばれる。上げ底の箱にがっかりせず、質感たっぷりのコマや美しいボードをまず観賞したい。たまに欠品や、多めに入っていることもあるのでそれも確認が必要。
ボード Brett(中)、Plan(男)、Tafel(女)
ボードゲームの根幹をなす用具。たいていは折り畳まれており、広げるとすばらしい図柄が一面に広がる。イラストレーターのサインがあったり、ウケを狙った絵があったりするのでじっくりと眺めてみよう。
カード Karte(女);<小>Kaertchen
カードゲームの根幹をなす用具。ボードゲームでも多くの場合カードを伴う。カードもボードもある場合は大きい方を取ってボードゲームと呼ぶのがならわし。均一な図柄を裏、中身を表と呼ぶのが通例。
タイル Teil(男)
カードよりも厚くて小さめの形状をしており、主に配置ゲームに用いられるものをタイルと呼ぶ。円形など四角でないものはチップと呼ばれることも。ゲームの最初に枠からくり抜くとわざわざルールにまで書かれている。
ダイス Würfel(男)
ゲームに手っ取り早く運の要素を取り入れるための便利な用具。サイコロとも訳される。一般的に1~6の六面ダイスが主流であるが、六面でも目が偏って書かれていたり、多面ダイスであることもある。
コマ Figur(女)、Stein(男)
各プレイヤーの現在位置・状態を示すための立体的な用具。ドイツゲームの大きな特徴としてコマのほとんどは石油原料を用いない木製であり、シンプルながらさまざまな形・カラフルな色になっている。これに惹かれてゲームを買うということも。
マーカー Markierung(女)
プレイヤーの得点、スタートプレイヤー、その他ゲーム全体の状況を示すための用具。タイルであったりコマであったりする。これが現在どこにあるかをよく把握しておくことが勝敗を左右する。
お金 Geld(中)
商品や権利を購入するための用具。お金をたくさん貯めること自体が目的のゲームも多い。中世を舞台にしたゲームでは、14~19世紀までの長い間実際に通用していたヴェネチア金貨・ドゥカート(Dukaten)という単位がよく出てくる。特定の単位がない場合は、「1金(いちきん)」「2金(にきん)」というように「きん」で数える。
紙幣 Geldschein(男),多くの場合、お金は紙幣で表される。どのゲームにも同じ紙幣を使うメーカーもあるが、そのゲーム専用に印刷された美しい紙幣もある。高額の紙幣は他のプレイヤーのマークのもとになるので低額紙幣の下に隠しておくのが基本。
コイン Münze(女)
チップ代わりに用いられるゲーム中のお金。木製、紙製、プラスチック製があり、ゲーム愛好者の間では木製が最も重宝されている。紙製は印刷の中心がずれていたり、プラスチック製は軽かったりするという理由である。
勝利ポイントチップ Siegpunktchip(女)
ゲームの勝利条件となる勝利ポイントをいくら取ったか示すチップ。勝利ポイントのあるゲームの場合、勝利ポイントを取るためのお金などは勝敗を決めるときにカウントしないというのが通常。
袋 Beutel(男)
タイルやチップなどをランダムに引くための用具。材質は麻か化学繊維で、口のところに結ぶひもがある。中に手を入れて手探りしているときのワクワク感も大事。ゲームには用いず、単に用具をしまうために付属しているという場合もある。
ルールブック Anleitung(女)、Regel(女)、Einfuerung(女)
ゲームを実際に遊ぶための書類。概要、用具、準備、進行、終了という5段構えが一般的。かつてはドイツ語だけのものが多かったが、英・仏・蘭・伊などの多言語で書かれているものも増えてきた。
4.ルール用語:ルールブックによく登場する用語です。
例 Beispiel(中)
ルールブックでルールの分かりにくい個所を説明し、誤解などがないようにするための方法。読み飛ばしてしまいがちだが、自分が認識したルールが正しいか確認するためにざっと見ておくことが望ましい。
図 Abbildung(女)
ルールやその例を分かりやすくするために実際の状況を示した絵や写真。ドイツ語が読めなくとも、またルールがよくわからなくとも、この絵を眺めるだけでわかることは意外と多い。ただし勘違いもあるのでルールに当たることは必要。
概観 Überblick(男)
ルールの中で、詳細を説明する前に大まかにゲームの流れを箇条書きなどで説明している部分。ゲームによっては、参照しやすいように概観カードを用意しているものもある。ルール説明もこれに乗っ取って行いたい。
例外 Ausnahme(女)
ルールが該当しない特別な場合。その状況が生まれたときには例外として規定されたルールを優先する。例外が多いルールはよいルールとはいえないが、見落としのないようにチェックしておきたい。
注意 Achtung(女)
ルールで間違いやすいところに注意を喚起する文。たいていは一度述べたルールがここでも該当するということを再確認するために行われる。ただし中にはここに特別なルールを入れている場合もあるので、読み飛ばせない。「重要(wichtig)」とも。
目的 Ziel(中)
ストーリーに基づいて、そのゲーム中でプレイヤーが勝利するために必要なこと。勝利ポイント、お金、名声など。ルールブックの最初の部分に書かれていることが多い。ルールを覚えるときには目的を先に確認し、それを達成するための手段を追っていくほうがわかりやすい。
ストーリー Geschichte(女)
ゲームに直接関係ないけれども、雰囲気を出すためにしばしば書かれている背景や設定など。ルールブックの最初の部分に書かれていることが多い。すぐれたストーリーはプレイヤーとゲームの距離をなくし、没入して楽しむのに有効である。
準備 Vorbereitung(女)
ゲームを始める前にしなくてはならない手続き。各プレイヤーが受け持つ色を決める、カードを切って配る、コマをスタートマスに配置するなど。その際、各プレイヤーに配られたカードやチップの枚数をきちんと確認しておきたい。
プレイヤー Spieler(in)
実際にゲームに参加している人。座り順はルールブックに指定されていないことが多く、公平を期するため予め協議して何らかの方法で決めた方がよい。また人数によって準備が変わる場合があるので要注意。
スタートプレイヤー Startspieler(in)
ゲームが始まって最初に手番を行うプレイヤー。誰がスタートプレイヤーになるかはたいていルールに記載されている。ドイツゲームで最も多いのは「一番若い人」。同じメンバーだと偏るので、ジャンケンなどで決めることにしてもよいだろう。
ほかプレイヤー Mitspieler(in)
自分以外のプレイヤー。多人数のドイツゲームにおいては、いつも敵(Gegner(in))とは限らない。協力できるところは協力し、お互いに利益を配分していくというスタイルが勝利ににつながる。
テーブルの中央 Tischmitte(女)
ボードや山札を置く場所。全てのプレイヤーから同じ距離になることが望ましい。狭い日本の住宅事情では当然机も小さく、中央もへったくれもない場合が多いが、そこは我慢するしかない。
色 Farbe(女)
コマなどは赤・青・黄の三原色を中心に色分けされている。それ以外の色はゲームによってさまざま。色がプレイスタイルに微妙に影響することもあったりする。黒・茶・灰などの地味な色を選ぶとマークされにくいというのは単なる思い込みに過ぎないだろう。
選ぶ auswählen(動)
多くのゲームにおいて、ゲームの最初にプレイヤーは色を選ばなければならない。通常はスタートプレイヤーから時計回りに決めていく。色の好き嫌いはあるだろうが、自分専用の色を決めず、譲り合って仲良く決めよう。一度決めた色には愛着をもつことが大事。
切る mischen(動)
中を見ないでシャッフルすること。はさみで切ってはいけない。出荷状態においてカードは同じ色や数字がかたまって並んでいることが多い。また色合わせ・数合わせのゲームでも終了時に同様の状態になっている。枚数が多い場合は手分けして切ろう。
配る teilen(動)
ルールに定められた枚数のカードやチップ、タイルを各プレイヤーに分配すること。ディーラーは注意深く間違わないように配らなければならないが、各プレイヤーとも一度確認しておいた方がよい。
引く ziehen(動)
山札や他人の手札から、カードを取ること。引っ張るという意味ではない。多く引きすぎたりしないように注意する。また、引くのを忘れた場合は後で気づいてももう引くことができないというのが基本だが、初心者には「忘れてるよ」と指摘してあげた方がよいだろう。
置く anlegen(動)、setzen(動)
配置ゲームなどで、カードやコマなどをルールに従って置くこと。乱雑にならないように、丁寧に揃えて並べること・どの場所に置いたかはっきり分かるように置くことが、美しい景観を作っていくだろう。
山札 Nachziehstapel(男)
裏返しになって積まれたカード。ここからプレイヤーはカードを引く。内容が偏らないようによく切っておくべきであるが、よく切られた状態には、当然偏りのある可能性もあることはよく認識しておいた方がよい。
手札 Handkarte(女)
自分では自由に見ることができるが他プレイヤーからは見ることのできないカード群。多くのカードゲームでは手札からカードを場に出し、その分だけ山札から引くことを繰り返す。他プレイヤーにのぞかれないように、何もなければ伏せて置いておくのが基本。
進行 Verlauf(男)
準備に引き続いて行われ、ゲームの本体となる手続き。スタートプレイヤーによる手番の開始から、終了前までを指す。ラウンド、フェイズ、手番などで分けられているので整理してルールを覚えておきたい。
競る versteigern(動)
競りゲームなどで自分がいくら出せるか提示し合い、一番多く出すと言った人が商品や権利を取得するという手続き。順々/同時、1度のみ/何度でも、パス抜け/パス後復帰可など、いろいろな方法があるので確認しておく。
交渉する handeln(動)
プレイヤー同士がお互いに話し合って交換や売買を任意に行うこと。何を交渉材料に用いてよいかはルールに記されているので確認する。また、交渉について何も書かれていないゲームでも予め決めておいて交渉を入れるという遊び方もある。
めくる aufdecken(動)
カードを表向きにして見えるようにすること。特に指定のない限り、他プレイヤー全員から見えるようにしなければならない。めくる瞬間の緊張と興奮はカードゲームの醍醐味でもある。
裏返す verdecken(動)
カードを裏向きにして内容を隠すこと。通常、山札は裏返しになったカードから構成されている。指紋や折り目などを付けてわかるようにしておくのはイカサマの部類に入るので慎みたい。
捨てる ablegen(動)
手札のいらなくなったカードや、使用済みのカードを一箇所にまとめておくこと。ゴミ箱に捨ててはいけない。山札がなくなったら、捨て札を切って再び山札をつくるというルールがよくある。
捨て札の山 Ablagestapel(男)
手札のいらなくなったカードや、使用済みのカードが一箇所にまとめられたもの。下のカードが見えにくいように重ねていくのが基本。ぞんざいに重ねて下のカードが見えるとカウンティングがより有効になってゲーム性が変わる恐れがある。
ゲーム Partie(女)
開始から終了までを指す。短時間で終わるゲームの場合、もう一度最初からやり直して何ゲームか行い、それぞれの結果を合計して最終的な勝敗を決めるよう勧められていることがある。
ラウンド Runde(女)
基本は1周。フェイズや手番を下位にもち、各フェイズが終わった時点、または全プレイヤーの手番が終わった時点でラウンドが終了する。ラウンドが終わってもゲームは終了しないので力の配分が必要な場合も。
フェイズ Phase(女)
局面や段階という意味で、ラウンドや手番を区切る要素となる。ルールに断りがない限り、1つのフェイズが終わってはじめて次のフェイズになるというように、フェイズの順番を守ることに注意したい。
手番 Zug(男)
1人のプレイヤーがルールに従ってプレイする時間帯。ターンとも。他プレイヤーの手番中にも自分の手番に何をするか考えておくこと、自分の手番になったことをすぐ意識することはゲームを潤滑にするために必要なことである。
時計回り (im) Uhrzeigersinn(男)
右隣から左隣へと順番に手番が移っていく様子。たいていのゲームでは手番がこの順で進行する。上手(かみて、右隣)と下手(しもて、左隣)の状況を見てプレイすることは非常に重要である。
同時 gleichzeitig(副)
順番はなく、一斉に行動を行うこと。『ハゲタカのえじき』で、全員がカードを出したあとに場合など。
マス Feld(中)
ボード上の線などで囲まれて相互に隣接し合う領域。境界線が意味をもつこともある。双六では同じマスに入れなかったり、同じマスに入ると戦闘が起こったりすることがあるのでルールを読んで確認しよう。
アクションポイント Aktionspunkt(男)
限られた行動力を使っていくつかの選択肢を自由に選べるというルールにおける行動力。『ティカル』などで有名になった。これが多くて選択肢も多いゲームは、必然的に考える時間が増える。
終了 Ende(女)
ある一定の条件を満たして、ゲームの進行が止まること。終了条件には複数用意されている場合が多いので、いつの間にか終わっていたということがないよう、プレイヤー全員が留意しておくべきである。
得点計算 Wertung(女)
ゲームの途中またはゲーム終了時に、各プレイヤーがボード上の状況によって、ルールに定められた点数を獲得すること。得点はマーカーで示したり、用紙に記入したりして勝者を決めるのに用いられる。序盤の1位は狙われやすいので気をつけよう。
勝利ポイント Siegpunkt(男)
ゲームの勝利条件となる点数。最も多いプレイヤーがその他の手持ちの多寡に関わらず勝利する。そのためできれば誰が現在何勝利ポイントなのかカウントすることが望ましい。
同点タイ Gleichstand(男)
最終得点や勝利ポイントの最も多いプレイヤーが複数いる状態。手札やコマなど他の要素で最終的な勝者を決める場合と、全員が勝者ということにする場合とがある。どちらなのか確認しよう。
勝者 Sieger(in)
ゲーム終了時にルールに記された条件を最もよく満たしているプレイヤー。勝敗は厳然とつくものの、手を取り合ってお互いの戦いぶりを讃えあうべきだろう。
敗者 Verlierer(in)
ゲームによっては敗者がひとり決まるゲームもある。くじけないようにしよう。
選択ルール Variante(女)
ゲームをやりこんだ人が、同じ用具で一風変わったゲームを遊ぶための別ルール。少しの変更だけでがらりと変わり、かつ本ルールに勝るとも劣らず楽しいというのが理想。自分たちで考えるのも面白いだろう。
ゲームマーケット2000体験記
とにかく感動しました.
トレーディングカードゲームは隆盛を迎えているものの,テーブルゲームというとまだマイナーな趣味だと思っていました.ところが,10:30の開場時には会場の8Fから1Fまでの階段にずっと行列ができ,開場すると会場は人でびっしり.ゲームは新品中古ともに飛ぶように売れて,すぐ売り切れ.12時にはパンフレットがなくなり満員御礼となりました.
メビウス(東京),シュピーレブルク(ゲームサークル桃源郷として・大阪),バネスト(名古屋),プレイスペース広島という日本を代表するゲーム屋さんが並んで出店.ドイツのゲーム祭以外で4人の店長の顔を一度に見られるのは,この時だけかもしれません.
創作ゲームも充実.もちろん今はドイツ天下であることは誰でも認めるでしょうが,日本人の心にしっくりくるゲームがほしいのも事実.エジプトや中世ヨーロッパのゲームよりも,日本のシチュエーションを加味したゲームの方が,感情移入がしやすいのです.こうして優れた楽しいゲームが作られていけば,日本も決してドイツに劣ることはないのだと思いました.(今回,骨折ゲームズを真っ先にチェックしておかなかったのが失敗.面白そうなゲームがあったのですが,あっという間に売り切れていました)
今回の一番の収穫は,プレイスペース広島のブースにありました.ノイエの広告で知っていたのですが,ワープロだけの地味な広告だったのでこれまであまり注目していませんでした.メビウスとは少々趣の異なる品揃えで,メビウス通いの私にはとても新鮮な渋いゲームが並んでいます.東京に住んでいると,大阪まで行くことはあってもなかなか広島までは行けません.店長もとっても親切で,ゲームをこよなく愛する人だという感じが伝わってきます.ニュルンベルクカタンを注文しました.限定版ですが果たして手に入るでしょうか?
関係者・スタッフの方々の苦労はたいへんなものだったと思いますが,おかげで感動と満足の1日を送ることができました.そして,今後も定期的に同じような催しが行われ,それに従って日本でテーブルゲームが次第にメジャーになっていくことを確信しました.