『私の世界の見方』日本版、お題アイデアコンテスト結果発表
スイスの傑作コミュニケーションゲーム『私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe…)』のローカライズ日本版を企画しているテンデイズゲームズ(東京・三鷹)は、7月に行われたお題アイデアコンテストの結果を発表した。受賞作品は製品版に収録されるほか、副賞として製品(来年に発売延期)が贈呈されることになっている。
『私の世界の見方』は、1人がお題カードを読み、ほかの全員が空欄にふさわしいと思う単語カードを出して、お題カードを読んだ人が最も気に入ったものを選ぶゲーム。スイスのU.ホシュテトラーの作品で、お題カードと単語カードの豊富さで高尚にも下品にも遊べる。日本ではこれまで、ドイツ語のカードにラベル付きで販売されていたが、300枚を超えるカードに1枚1枚ラベルを貼る作業が普及を妨げており、日本版の発売につながった。
入賞作品は以下の通り。下記のリンクでは審査員のコメントや、最終候補作品も掲載されている。
テンデイズゲームズ賞
専業主婦の母親が突如ブログを公開。そのタイトルは「○○」。(第二研究員さん)
テンデイズラジオ賞
近所のスーパーの名物「○○の詰め放題」(がむ子さん)
森木ノ子賞
面接にお越しいただく際、筆記用具の他に◯◯をお持ちいただき、受付にお渡しください。(暗黒山さん)
Table Games in the World賞
私のお婆ちゃんがツイッターでつぶやいた。−○○なう(ジークリボンPさん)
余談ながら、このたびの選考はほかの審査員との重複もあるため各自3つまで選ぶことになっていた。Table Games in the World賞を担当した私が選んだ次点作はテンデイズラジオ賞を受賞した『近所のスーパーの名物「○○の詰め放題』、次々点は「この国の財政立て直しには、やはり○○がカギになってくるだろう。」 。
なお、発売延期に伴い、第2回お題アイデアコンテストを実施することがアナウンスされた。詳細は後日発表予定となっている。
・Daily Life is a game:「私の世界の見方:日本版」発売記念!第一回お題アイデアコンテスト:結果発表!
レミングマフィア(Lemming Mafia)
レミング飛び込む水の音
集団で海に飛び込んで自殺するという伝説があったレミング。実際は集団移住で川を渡ることがあり、何体かが溺れて死んでしまうためそう考えられたらしい。このゲームではレミングがマフィアとなり、海に向かって逃亡する。途中で捕まったレミングは足にコンクリートを付けられて海に沈められる。運良く助かったレミングも、結局は海に飛び込んで死ぬという、なんともブラックなゲームである。コスモス社が手がけているドイツのコミック『笑うところではないでしょう(Nichtlustig)』のひとつ。
あらかじめプレイヤーには秘密の目標カードが配られる。「○○色のマフィアは○○色より先に飛び込む」「3匹以上がコンクリ詰めで死ぬ」など。ゲーム終了時に達成できていれば得点、できなければ失点となるので、これを見てレミングの進め方を決める。
手番にはレミングダイスを2つ振り、出た色のどちらかのレミングを進める。コースは何マスかで一区切りになっており、一つ先の一区切りのうち、空いていればどのマスに移動してもよい。マスによって、コンクリートを足に取り付けられたり、取り外したり、1〜6のサイコロを振って一気に逃亡を企てたり(移動先にほかのレミングがいると即コンクリート)。
コンクリートが3つ取り付けられると、どんなにトップを走っていてもその時点で脱落。最下位になってしまう。それぞれの思惑が絡み合うので、トップを走っているレミングが危ない。
コースの途中で、1位を予想することができる。そのマスにレミングが止まるたびに、自分のカードから1枚、裏にして出し、重ねていく。最後に面白いことに、1位だったレミングのカードを後で出しているほど、得点が高い。1枚目で出すと1点だが、6枚目で出せば6点。でも様子見をして出さないでいると、1位のレミングのカードを出しそびれて0点になってしまうかもしれない。
全部のレミングがコンクリ詰めで脱落するか、ゴールまで行って海に飛び込んだらゲーム終了。1位予想の得点と、目標カードを達成したかどうかによる得点で、勝敗を競う。
人数が多いほど、ままならなさが増す。お互いに潰し合うのは漁夫の利を招くので、ほかの人がどのレミングをよく動かしているか観察して、自分と利害が一致しそうな人を探したい。最後まで生き残るレミングは2匹くらいしかいない。1匹脱落するたびに、あちこちで悲鳴が上がって盛り上がった。
Lemming Mafia
M.リーネック/コスモス(2009年)
3〜6人用/8歳以上/20分
イエローサブマリン:レミングマフィア