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『ワンス・アポン・ア・タイム』日本語版、6月3日発売

イエローサブマリンは6月3日、ニューゲームズオーダーとの共同制作で『ワンス・アポン・ア・タイム(Once Upon a Time)』日本語版を発売する。2~6人用、20~40分、3000円(税別)。6月1日のゲームマーケットでは、イエローサブマリンのブース(A22)で先行発売される。
「王様」「村」「戦う」などのキーワードが書かれた手札の物語カードで物語を作るストーリーテリングゲーム。「真実の愛が魔法を解いたのです」とか「そして2人は幸せに暮らしましたとさ」などといった結末カードが予め配られており、その結末できれいに終われるように手札を使い切ることを目指す。
物語に詰まったときは次のプレイヤーがその物語を引き継ぎ、同様にそのプレイヤーの結末カードで終われるように手札を出していく。中断カードを使ってほかのプレイヤーの物語を途中で奪い取ることもできる。
イギリス人デザイナーグループの作品で、初版は1993年にアトラスゲームズ(アメリカ)から発売された。イエローサブマリンでは日本語版化の話が何度か出ていたが、ニューゲームズオーダーの協力でようやく実現したという。今回の日本語版は第3版に準拠している。勝敗にあまりこだわらず、みんなでよい物語を作って楽しむゲームだ。

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宝石の煌き(Splendor)

栄光への道筋
宝石の煌き
宝石を集めて鉱山や職人を手に入れ、有名な宝石商となって貴族の訪問を受けるわらしべ長者のようなゲーム。フランスのゲームだが、2014年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。宝石集めがテーマだが、アブストラクト色の濃いセットコレクションでヒリヒリできる。
自分の番には、ストックから宝石を取るか、集めた宝石でカードを買うかが基本。場に並んだカードにはそれぞれ必要な宝石の色と個数が書いてあり、指定された分を支払えばゲットできる。カードにも宝石が1つ付いており、その宝石分は支払わなくてもよくなるため、カードを買えば買うほど新しいカード購入が楽になるという仕組み。最初はなかなかカードが買えなくて苦しかったのが、途中からバンバン買えるようになるのが気持ちいい。
しかしカードには難易度が3段階あって、最難関は得点も高いが集めなければいけない宝石も多い。安いカードばかり買ってウヒョウヒョいっていてはいけないのだ。自分に足りない宝石は何か、そのカードを取るにはどの宝石を集めるべきかしっかり道筋を考えておこう。
これに加えて、カードは早い者勝ちなので、ほかのプレイヤーが狙っていそうなカードは先手を打って取っていかなければならない。出たとこ勝負でカードを買っていくプレイもできるし、先の先を読んで、かつ周りの狙いも見極めてという考えぬいたプレイもできるという、幅広いプレイスタイルに対応しているのはさすがノミネート作品。
宝石の取り方は、3種類1枚ずつか、1種類2枚(4枚以上ある場合のみ)か、黄金(ジョーカー)1枚。黄金1枚の場合は、カードを1枚確保しておくこともできる。宝石の枚数が絶妙で(プレイヤー人数によって変わる)、特定の色を貯めこんでブロックすることができる。ブロックしておいて、ほかのプレイヤーが「買えるカードがないよ!」と嘆いている間に自分は別のカードをどんどん買っていきたいものだ(うまくいけばの話だが)。
指定された宝石のカードを揃えると、貴族タイルをもらえる。これが高得点で一気にゲームが収束する。勝負は、限られた枚数しかない貴族タイルを、いかに早く取れるかにかかっている。カード、貴族の合計が15点以上になったラウンドで終了し、得点の多い人が勝ち。
3人プレイで40分くらい。ゲームが始まってすぐ、考えることの多さに愕然とした。この宝石を取って、あの人より先にこのカードを取るには? そのカードが取れなかったらどのカードを取るか? カードのイラストを楽しむ余裕もないくらい、手持ちの宝石と、ほかの人の宝石と、場札のカードを見比べる。
そのうちカードが増えてきて、宝石を1個ぐらい支払えばたいていカードを購入できるようになると、みんなウヒョーウヒョー言い始めた。しかしそこで成り行きに任せて買っていたのでは勝てない。貴族タイルを目指して、どのカードが自分に足りないか見極めなければならない。無駄足せずにまっすぐ貴族カードを集めた鴉さんの勝利。
宝石の数がカツカツなのに対し、同じ得点なのに宝石の数がだいぶ違うカードがあって、わざとバランスを崩して作ってある感じがニクい。テーマ性が薄い分、深く考えて遊ぶことができた。
Splendor
M.アンドレ作/スペースカウボーイズ+アスモデ(フランス)
2~4人用/10歳以上/30分
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