ドラゴンズゴールド(Dragon’s Gold)

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ギリギリまで粘っても吉

Dragonsgold

『ドラゴンイヤー(2007年)』で辰年はいろいろな災いが次々起こる年とされているが、年頭の挨拶では(もちろんそんなことを言えるはずもなく)「振」にかけて成長の年などと言う。しかし成長はいつまでも続くとは限らない。欲をかかず程よいところで回収するのが吉。おみくじ的にはそんなところだろうが、それでいいのだろうか?

フェデュッティが『あやつり人形』の翌年に発表したこのゲーム。場にドラゴンが何頭かおり、順番に1枚ずつ戦士カードを出していく。戦士カードが何枚か出て、戦力の合計がドラゴンの体力を上回ったらドラゴンは倒され、お宝が出てくる。これを1分以内に分けないと、誰ももらえなくなってしまう。

お宝には色があって、単純に得点になるものと、その色を一番多く集めると得点になるものがある。戦力が異なる場合はもちろんのこと、戦力が同じ場合でも、きれいに山分けできるとは限らない。ましてや分け合う人が3人4人と増えると話がまとまらなくなる。「金をあげるから、1個多くもらえませんか」「じゃあ紫を青に変えて」「それはちょっと……」「それならば~」「はいタイムアウト!」

砂時計を見ながらの交渉はどこかで妥協しなければならないものだが、妥協しすぎれば相手に大得点を与えてしまう。自分がイニシアチブを取るべきか、相手に任せてもいいかはお宝の色次第。ところがここにもうひとひねりあって、最初から見えている宝と、倒されてから袋から引く宝がある。後から出てくる宝によって話が変わることが多く、焦りに拍車がかかる。

発売当初に遊んで以来20年ぶりくらいのプレイとなったが、最近この手のゲームがないせいか、気のおけない仲間たちとプレイしたためか、制限時間のある交渉がスリリングでとても面白く感じられた。欲を出してギリギリまで粘るのもまた悪くない。

Dragon’s Gold
ゲームデザイン:B.フェデュッティ、イラスト:E.ルディエ
デカルト出版(2001年)
3~6人用/12歳以上/45分

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