パストニヒト(Passt nicht!)

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合うカードを出させられる

Passtnicht

「『ウノ』みたいなゲームです」といわれると、ゲーマーはやる気を削がれるかもしれない。確かに『ウノ』と同じマッチング(色か数字が合えば出す)メカニクスを使い、手札をなくしたら上がりだ。しかし、手札だけでなく、自分の前に置いたカードからも出せる(出させられる)ことで、2~3回プレイしてじわじわ楽しさがわかってくるようなインタラクティブな展開が楽しめる。

手札5枚でスタートし、手番には1枚、場札に「合う」カードを出すか、場札に「合わない」カードを自分の前に出す。自分の前に出したカードは得点になるが、その場合山札から1枚補充しなければならず、手札は減らない。一方、場に出せば手札が減って上がりに近づくが、得点にはならない。

手札に「合う」カードがあっても「合わない」カードを出すことができるが(メイフォロー)、自分の前にあるカードが場札と「合う」場合、「合わない」カードを自分の前に出すことができず、自分の前にある「合う」カードを出さなければならない。この場合、カード補充はないが、得点化したカードが削られてしまうことになる。

他のプレイヤーの前にあるカードは見えているので、どのカードを出せばそれを削れるかがわかる。得点の高いカードは間違いなく狙われるだろう。こうして起こる得点札の削り合いが始まると、このゲームの真価が発揮される。誰かが手札をなくしたら終了で、残った手札は失点になるので、削られた分を補うのか、諦めて手札を減らしに行くのかの駆け引きも悩ましい。

手札に残ると大量失点のジョーカーがあり、さらに同じ色のカードは重ねておいて上から削られるため、高得点カードを低得点でガードする戦法も有効。攻守のバランス取りも楽しい。シンプルな見せかけとは裏腹に、噛めば噛むほど味が出てくる作品だ。

Passt nicht!
ゲームデザイン:T.ヴェーバー/イラスト:D.ミューラー
シュミットシュピーレ(2023年)
2~6人用/8歳以上/20分

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