クジラオルカ(Whale to Look)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

そんなところにおるか!

whaletolook
同じ海エリアに集まっていく様子は椅子取りゲームの様相

断片的な情報を元にクジラとオルカの居場所を推理し、観光船を乗り付ける情報戦ゲーム。オインクゲームズのゲームマーケット2023春新作であり、『あやつり人形』のB.フェデュッティとオインクゲームズ佐々木氏の共作ということで話題となっている。

オインクゲームズが海外のボードゲームイベントに出展したとき、フェデュッティ氏が持ち込んだアイデアを、オンラインミーティングでブラッシュアップしてきたという。クジラとオルカのテーマ付けは佐々木氏。小箱でひねりのある作品を発表してきたオインクゲームズのポジションは、今や国際的に認知されていることを窺わせる。

ひし形のカードを並べて6ヶ所の海エリアを作る。各海エリアには4枚の魚群カードが隣接しており、裏面の数字(0~5)の合計が最も多いところにクジラが出没し、最も少ないところにオルカが出没する。各自観光客が1~3人乗った船をもってスタート。

手番には魚群カードを1枚こっそり見て、いずれかの海エリアに船を置くか、すでに置いてある船を隣のエリアに移動させる。これを繰り返して、全員がパスしたら魚群カードをめくって得点計算。自分の船がいる海エリアに、クジラかオルカが出没していたら、観光客の数だけ得点になる。

魚群カードは12枚あるが、自分が見られるのは最大で5枚まで。それ以外のカードは、他のプレイヤーの動きを元に推測しなければならない。魚群カードをめくって全員に公開する「レーダー」は諸刃の剣。「ひとつの海エリアにいられる船はプレイヤー人数まで」というルールがあるため、のんびり情報収集していもいられない。うまく便乗しつつ、ボーナスをもたらす「いかり」を早めにおろしたいところだ。

ただし「ひとつの海エリアにいられる船はプレイヤー人数まで」というルールで焦ってはいけない。自分が知っている情報をもとに消去法による判断を加えないと、みんなが集まった海エリアがハズレなんてことになりかねない。

2ラウンド目は流行カードによってクジラとオルカの得点パターンが変わり、プレイヤーの置き方に影響を及ぼす。クジラやオルカがいなさそうなところに自信満々に置いて、みんなが集まってきたらそこから移動させるというようなブラフもかけられるだろう。

ひとりひとり違う観光客を木駒の船に差し込むなど、小箱に詰め込まれたコンポーネントの豪華さも目を引く。

クジラオルカ
ゲームデザイン:佐々木隼&B.フェデュッティ
オインクゲームズ(2023年)
2~5人用/9歳以上/30分

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.