デッキビルド、協力、タイル配置
自然の精霊たちが動物たちの力を集めて鬼火の炎から森を守り、神木を植え神花を集めるファンタジーゲーム。デンマークの新人デザイナーの作品で、ルドノートが2021年に発表した。今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされている。
各自同じ構成の動物デッキをもってスタート。毎ラウンド、この動物デッキからカードをめくって好きなところで止める。動物の中には「一匹狼」タイプがおり、これが3枚出てしまうとバーストしてしまうので、だいたいは2枚で止めることになるだろう。
動物カードにはさまざまなアイコンがついており、めくった動物についている要素の合計で手番のアクションを行う。バーストしていなければ2アクション、バーストすれば1アクション。新しい動物を手に入れたり、鬼火を消したり、マイボードに木を植えたり、精霊を移動したりする。
全員の手番が終わったら鬼火チェック。残っている鬼火と各自の水要素を比べて、鬼火が多いとお邪魔カードを受け取る。その後、鬼火を追加して次のラウンドへ。こうして誰かが鬼火を12個消化するか、木を12種類植えるか、動物カードをめくったときに神花が12個揃ったら勝利(同じラウンドに複数のプレイヤーが達成したら総合成績で勝負)。
めくった動物カードは捨て札になるが、デッキがなくなったらシャッフルしてまた使う。動物カードは強力なものほどコストが高く、ゲーム中盤になってだんだん入手できるようになっていく。3つの勝利条件のどれを狙うかで、新しく手に入れる動物カードの系統も変わり、一匹狼のアイコンを中和する動物を入れればより多くのカードをめくれるようになる。こうしたデッキビルドの要素がこのゲームの一つの楽しさである。
鬼火は全員共通であるため、協力して消火して被害を抑えることもあれば、水要素がたくさん出たプレイヤーが一気に消してヒーローになることもある。対戦ゲームだが、ここに関しては協力の要素があるところも面白い。
マイボードの木はタイル配置になっていて、永続的な要素をもたらす上に、コーナーまで伸ばせば追加アクションもある。精霊の移動では、ほかの精霊を追い越すと勝利条件にかかわるトークンを奪えるというインタラクションで逆転もある。デッキビルド、協力、タイル配置、直接攻撃というメカニクスを各アクションに落とし込み、それをすっきり40分にまとめ上げているところがこのゲームの醍醐味といえるだろう。精霊も動物も目が光っていて神秘的なところも、雰囲気を統合するのに役立っている。
Living Forest
ゲームデザイン:A.クリスチャンセン/イラスト:A.エティエンヌ
ルドノート(2021年)
1~4人用/10歳以上/40分