今年もあと1週間となったところで、今年の主なニュースをまとめた。当サイトの記事になっていないものもあるが、今年を特徴づけるものという観点で管理人の独断でランキング。
1.アニメ『放課後さいころ倶楽部』放送開始
ボードゲームをテーマにしたコミック『放課後さいころ倶楽部』のアニメ版が10月2日からABC朝日・TOKYO MX・BS11の深夜帯にTV放送。9月に『ゲッサン』で発表されると作者のツイートは1日で3000を超え、ボードゲームファンとコミックファンの両方から広く注目された。ブルーレイは来年1月8日と3月3日に映像特典や特製ボードゲーム『犯人は踊る』『赤ずきんは眠らない』付きで発売予定となっている。
2.ゲームマーケット先行体験会「フォアシュピール」スタート
ゲームマーケットで発表される新作創作ゲームを一同に体験できるイベント「フォアシュピール」が5月、東京渋谷で開催された。ゲームマーケットは新作が急増し、会場内で遊びにくくなっていることから大盛況。11月には2日間にわたって開催された。体験会による前評判の形成が重要となってきており、「盤祭」「北海道ボドゲ博」「World Word Game Festival」など、サテライト的なイベントが賑わった一年だった。
3.マーダーミステリー専門店連続オープン
殺人などの事件が起きたシナリオで、参加者が物語の登場人物となって犯人を探し出す(犯人役の人は逃げ切る)正体隠匿推理ゲームジャンル「マーダーミステリー」の専門店「Rabbithole(ラビットホール)」が8月に新宿、11月に渋谷、12月に池袋と立て続けにオープン。台湾や中国で制作されたシナリオだけでなく、オリジナルの作品も次々と発売された。年明けには大阪梅田にも専門店「Who Done IT?(フーダニット)」が開店する。
4.NON STYLE井上裕介氏がYoutube番組「NONSTYLE井上365」開始
若手芸人とボードゲームをプレイしながらトークを繰り広げる番組が9月からスタート。毎日更新されており、登録者数は2万5千人を突破。コミュニケーション系ボードゲームのポテンシャルを最大限引き出した内容となっている。井上氏は動画配信だけでなく、マーダーミステリーをプレイしたり、ゲームマーケットに参加したりしており、愛好者内に限られていたボードゲーム文化が外に広まり始めている。
5.シュピール来場者、初の20万人超え
ドイツ・エッセンで10月24~28日にかけて開かれたメッセ「シュピール’19」は、来場者が209,000人となり史上初めて20万人を突破した。シュピールは長らく15万人前後をキープしていたが、5年前から毎年約1万人ずつ増加。今年は昨年の190,000人から2万人近く増加した。出展者53カ国1200団体、新作タイトル数1500、会場面積86000㎡も過去最高。ドイツだけでなく世界的なボードゲーム熱の高まりが反映されたようだ。
6.カードゲームの海賊版続々
アマゾンのマーケットプレイスやメルカリなどで、人気カードゲームの海賊版が出回っている。主に中国で製造されており、価格が異様に安い、発送元や問い合わせ電話番号が国外、カードや箱の紙質が粗悪(特に内箱の裏面)、印刷がずれている、誤字脱字が多い、中国語にしかない漢字が使われているなどの特徴がある。愛好者はツイッターで出品者情報を交換して自衛している。
7.中国のボードゲームが話題
BGGにも登録されていない中国・静言思桌游のボードゲーム『海洋公園』『平遥』『敦煌』『徽州』が愛好者の間で面白いと話題になった。双六小僧氏が北京や上海がわたり、情報を集めて輸入し始めたもので、「小僧ゲームズ」というレーベルでオンライン販売・ゲームマーケット出展・卸売も行っており、安定供給され始めている。
8.連作ボードゲームプロジェクト「KAIJU ON THE EARTH」始動
アークライトは5月、連作ボードゲームプロジェクト「KAIJU ON THE EARTH」の立ち上げを発表した。総合ディレクションは渡辺範明氏で、毎ゲームごとに別のゲームデザイナーが担当する。ゲームマーケット2019秋に発売された第1弾『ボルカルス』を上杉真人氏のデザインで、先行予約のクラウドファンディングが殺到したことから、当日は一般発売分がなくなるほどの人気。来年には金子裕司氏による第2弾、林尚志氏による第3弾が予定されている。
8.ゲームマーケット大賞終了
2014年に始まったゲームマーケット大賞が、発表されるボードゲームの急増などの理由により第5回で終了。ゲームマーケット来場者による投票で選ばれる「ゲームマーケットセレクション」、識者がお気に入りの新作を自由にコメントするコーナー、アークライト社が製品化を保証する「アークライト・ゲーム賞」の三本立てで引き継がれることになった。最後の大賞には、『FOGSITE(SolunarG)』が選ばれた。
10.QuizKnock、オリラジ中田敦彦氏がオリジナルゲーム発表
謎解きやクイズを手掛ける東大発の知識集団QuizKnockが11月、オリジナルボードゲーム『VENN’S CODE(ベンズコード)』と『限界しりとりパーティー!』を発表。オリラジ中田敦彦氏が10月にオリジナルカードゲーム『ゼノ』を発表し、ボードゲーム愛好者以外からも注目を集めた。ボードゲーム愛好者の著名人はこれまでにも多く知られていたが、かつての糸井重里氏のように、制作に回る人も出ている。
ほかにも、「暴力団やマルチ商法への対抗策進む」「ゲームマーケットに小沢健二氏来訪」「無断リメイクやルール借用で議論」「アメリカ・テーブルトップ賞創設」「全世代向けゲネラツィオーネン・シュピール認証」「ドイツ・ボードゲーム評論の日開催」「ハニーカット氏、性的虐待で業界追放」「台風被害者にボードゲームを無償提供」「米ゲームコンベンションで日本ボードゲーム出品プロジェクト」「18XXシリーズの生みの親F.トレシャム氏逝去」「大阪でキッズゲームをテーマにしたボードゲームシンポ」「ゲームストア・バネスト20周年」などのニュースがあった。みなさんにとって、インパクトの大きかったニュースは何でしたか?
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