ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日、3部門についてノミネート作品と推薦リストを発表した。赤いポーンの年間ゲーム大賞、青いポーンの年間キッズゲーム大賞、灰色のポーンの年間エキスパートゲーム大賞の3部門について各3タイトル、合計9タイトルがノミネートされた。ノミネート作品の中から、赤と灰色のポーンは7月22日にベルリンで、青いポーンは6月24日にハンブルクで大賞が発表される。
今年設立40周年を迎えるドイツ年間ゲーム大賞は、記念特別展が行われる東ドイツ・ケムニッツのドイツ・ボードゲーム博物館においてノミネートを発表した。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、かぶらないヒントでお題を当てる『ジャストワン』、手札を早くなくすカードゲーム『ラマ』、お互いに正体を隠してお題を当てる『ワーワード』の3タイトル。全てドイツ語圏のデザイナーだった昨年とはうって変わり、ドイツ人はクニツィアだけで、あとはフランスとアメリカの作品が選ばれた。
プレイ時間は10~20分といずれも超ライトな作品が並ぶ。今年から審査員長を努めているH.シュレーパー氏は「今年のスターは気楽に楽しめる小さなボードゲームで、エネルギーを使わず、どこでも、家族・近所・同僚と相手を問わず、すぐ楽しめるものをノミネートした」という。一方、昨年の『アズール』のようなミドルクラスの大箱がノミネートされなかったことについては「突出するものを見出すことができなかった」とし、その穴は推薦リストで補填しているという。
経験者向けであるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、タイルを配置して得点の高い都市を競う『カルペディエム』、協力して事件を解決する『ディテクティブ』、さまざまな特殊能力をもつ鳥の楽園を作る『ウィングスパン』が選ばれた。こちらもドイツ人デザイナーはフェルトだけで、あとはポーランドとアメリカの作品が選ばれている。推薦リストには日本発のボードゲーム『ペーパーテイルズ』が入った。
キッズゲーム大賞(青)には、記憶力で魔法使いに閉じ込められた村人を助ける『ファブランティカ』、動物の背中に乗ってゴールを目指すレース『ゴー・ゲック・ゴー!』、ボールを転がして狙った樽を倒すアクションゲーム『バイキングの谷』がノミネートされたほか、昨年より2タイトル多い7タイトルが推薦されている。
3部門にノミネートされた9タイトルのうち、日本語版が発売されているのはゼロ。『ワーワード』については、オインクゲームズの『インサイダーゲーム』と酷似していることが指摘され、議論になったことがある(TGiWニュース:ベジエゲームズの新作、『インサイダー・ゲーム』を換骨奪胎か(2))。推薦リストでは『うんちしたのだあれ?』、『ローランド』、『ニュートン』(以上テンデイズゲームズ)、『ペーパーテイルズ』(Engames)の4タイトルが日本語版となっている。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
ジャストワン(Just One / L.ルディ&B.ソーッター / ルポ・プロドゥクシオン)
ラマ(Lama / R.クニツィア / アミーゴ)
ワーワード(Werwörter / T.アルスパッチ / ラベンスバーガー)
推薦リスト:ベルラッティ、ディズル、イムホテップ・デュエル、うんちしたのだあれ?、リーフ、シャーロック:7月4日の死亡
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
カルペディエム(Carpe Diem / S.フェルト / アレア)
ディテクティブ(Detective / I.トルツェウィツェックほか / ポータルゲームズ)
ウィングスパン(Flügelschlag / E.ハーグレイヴ / フォイヤーラント)
推薦リスト:西フランク王国の建築士、ローランド、ニュートン、ペーパーテイルズ
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
ファブランティカ(Fabulantica / M.トイブナー / ペガサスシュピーレ)
ゴー・ゲッコー・ゴー!(Go Gecko Go! / J.アダムス / ツォッホ)
バイキングの谷(Tal der Wikinger / M.&W.フォート / ハバ)
推薦リスト:農夫のなかま、コンセプト・キッズ、マジックメイズ・キッズ、モンスターマッチ、モンスターのなかま、オクトパス、ぐらぐらしすぎ
・Spiel des Jahres e.V.: Hier sind die Nominierten 2019!