完璧なリキュールを目指して
注文や流行に合わせて売れるリキュールを作る国産カードゲーム。ドイツゲーム喫茶B-CAFE/豚小屋がゲームマーケット2018大阪で発表した。海外ゲームの日本語版かと見紛うような美麗なアートワークに、ユーロスタイルの緻密なシステムが練り込まれた作品だ。
ウィスキー、ブランデー、ジンなどのどの蒸留酒をベースに、フルーツやはちみつなどどのフレーバーを加えるかで出来が変わる。完璧を目指せば時間がかかるが、拙速では売れるリキュールはできない。速さと正確さをどこまで両立できるかが勝敗の鍵となる。
手番には場札から1枚を取り、これまでに取っていたカードに加えてリキュールを作る。リキュールはベースカード1枚と、何枚かのフレーバーカードからなり、できあがったら出荷する。その出来の良さには4つの基準がある。
1.オーダー:ベースを取ったときに付いてくるオーダーカードの条件(深み・甘さ・香りなど)に合致していれば出荷時にボーナス得点
2.ベースとフレーバーのマッチ:ベースカードの数値と、フレーバーカードの合計が一致していれば出荷時に実績トークンを獲得
3.トレンド:ゲームの最後に、トレンドカードに合致するリキュールでボーナス得点
4.リキュールアワード:ゲームの最後に、深み・甘さ・香りが一番強いリキュールを作っていたプレイヤーにボーナス得点
この4つを全て満たすのは至難の業である上に、ほかのプレイヤーの動向にも左右される。「2のフレーバーで、深みと甘さが強くて、香りは2以下」など、厳しい条件に叶うフレーバーが場札にあるとは限らない。ボーナスを犠牲にしても早さを優先してどんどん作るか、トレンドカードなどを取りながら丁寧に仕込んでいくか悩ましい。
5人プレイで30分ほど。ベースカードがなかなか取れなかったこともあって、トレンドカードを増やして、それに叶うフレーバーを集めていくことにした。結局2つしか出荷できなかったが、いずれもトレンドカードの多くを満たしており、しかもアワードを2つも取れたことがあって圧勝。いいカードが来るかどうかは運次第のところもあるが、ほかのプレイヤーが欲しがっているカードをブロックするといったテクニカルなプレイもできる。自分の手番まで、欲しいカードがほかのプレイヤーに取られないかドキドキする。
リキュール・ザ・ゲーム
酢豚(黒田省吾)/ちゅぱみ
ドイツゲーム喫茶B-CAFE/豚小屋(2018年)
2~5人用/10歳以上/30分