後戻りできるレガシーシステム
動物たちを回って果物を集め、ジュースを作るワーカープレイスメントゲーム。今年のドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれている。独自路線をゆく2Fシュピーレの作品がドイツ年間ゲーム大賞のノミネート・推薦リストに選ばれるのは『ファウナ』以来8年ぶり。
はじめに6種類の動物カードが場に並べられる。手番にはそのいずれかに自分のコマを移動させ、その動物のアクションを行う。ほかのコマがいればそのプレイヤーに手札から1枚出して使うことができる。分かりやすいソフトワーカープレイスメントである。
アクションはカードによって異なる。山札からカードを2枚引く、誰かにバナナをあげる代わりに2枚もらう、山札からカードをめくってバーストする前に手に入れるなど、手札の果物を増やしたりほかの人と交換して揃えたりしていく。
またカードにはそれぞれジュースを作るのに必要な果物が指示されており、その果物を集めてそのカードに行けば、ジュースが完成する。こちらも分かりやすいセットコレクションで、このジュースを規定数先に完成させた人が勝つ。
ジュースを完成させるたびに、その動物カードがなくなり、代わって新しい動物カードが場に追加される。新しい動物にはまた別なアクションがあり、できることが少しずつ変わっていく。1種類の動物につきカードが4枚ずつあり、1ゲームで2~3種類追加される。
ここからがフリーゼらしさ。使い終わったカードは袋に入れておいて、次のゲームは前のゲームが終わった時点から始めようというのだ。動物は全部で59種類。単純計算して20ゲーム以上しないと、最後の動物まで行き着かない計算である。これをフリーゼは「後戻りできるレガシーシステム」と言っている。ネタバレしてもゲームに影響はないが、奥の方にいるまだ見ぬ動物を見たい気持ちがリプレイアビリティーを高める。
5人プレイで20分ほど。軽いのでそのまま2ゲーム目を始め、12番ぐらいの動物までいった。動物が出てくるたびに、その効果を見てみんなで「おー!」と言い、それまで出ているカードをどのようにコンボを組めるか考えて楽しんだ。言語依存度は高いが、出てくるたびにみんなで効果を確認できるのでプレイに大きな支障はない(日本語版が出ればもちろんずっと遊びやすいだろうけれども)。
Fabelsaft
ゲームデザイン・F.フリーゼ/イラスト・H.リースケ
2Fシュピーレ(2016年)・国内未発売(アークライトから日本語版予定)
2~5人用/8歳以上/20~30分