会場は昨年と同じ3号館。ブース配置に手狭な感じはなかったが、あちこちに渋滞が発生した
3月12日(日)、神戸国際展示場(兵庫県神戸市中央区)にて、「ゲームマーケット2017神戸」が開催された。関西での開催は6回目で、神戸に移ってからは2回目。ボードゲーム出版社、専門店、同人サークルなど198団体が84タイトルの新作ボードゲームをはじめ、輸入ゲーム、中古ゲーム、書籍、関連グッズなどを出展し、4700名が参加した。
待機列はポートライナーの高架下に形成。ボードゲームへの熱意は寒空をも打ち負かす
限定販売を目指して開場前は1000人以上が待機列を形成。昨年のゲームマーケット神戸と比べれば約1ヶ月遅く、だいぶ春めいてきたとはいえ、朝は10度を下回る。10時の会場と同時に人々が殺到したのは、ボードゲームショップDDTとトリックプレイ。いずれも独自ルートでほかのショップでは見かけない輸入ゲームを扱っている専門店である。同人ゲームよりも先に輸入ゲームを求めるのは、関西開催の特徴と言える。
DDTラボのちむ店長。今回は怪盗のコスプレで登場した。目玉は『呪いのミイラ』中国語版の『キョンシー』
しかし同人・創作ゲームの人気も上々。一般ブースは午後遅くまで人だかりが絶えず、売り切れも多数発生した。ブース前に人が集まっているのでしばらく待たななければならず、予めチェックしていたブースに狙っていかなければ、ぶらっと見てよさそうなものを見つけるということは難しい。
それでも東京開催のゲームマーケットと比べれば出展者数が少ないので、ゆっくりとゲームを見る余裕があった。開場時間は同じ7時間。昨年のゲームマーケット秋は539団体が出展したので、ざっくり比べても2倍以上の時間を1ブースに費やすことができる。「これくらいの規模がちょうどいい」という声を出展者・参加者双方から聞いた。今回、私は試遊に力を入れたが、9タイトルも遊ぶことができた。会場で遊んだゲームについては、別にレポートしたい。
昨年の秋にエッセンかと思うような大規模ブースで出展したオインクゲームズ。ドイツ支社”Oink Games GmbH”を立ち上げ、ヨーロッパ展開を本格化させている。エッセン・シュピールの出展で通訳をしたドイツ人女性が支社長となり、専業で営業活動を行う。来年にはアメリカのジェンコンや、フランスのカンヌ国際ゲーム祭への出展も検討しているという。これまでライセンス契約というかたちで海外に展開してきた日本ゲームに、新しい地平を開く。
今回は新作『スタータップス』を発表。準新作『死ぬまでピラミッド』も好調で、すでに3000部販売したという
会場内では、大阪のボードゲーム専門店「キウイゲームズ」の2号店が4月下旬、新大阪駅近くにオープンするというニュースや、地元三ノ宮のグループSNEが8月、アナログゲーム雑誌『ゲーム・マスタリー』を発刊するというニュースが発表され、話題となっていた。なお関西の社会派ゲームデザイナー、北条投了氏の新作は『オーデンの触祭』と、無料配布の『トランプウォール』である。
昨年に引き続き、今回も前日交流会と当日打ち上げの両方に参加し、地元の方ばかりでなく、九州など遠方の方ともお話できた。そして二次会は両日ともトリックプレイに行き、「豚の鳴き声」の収録など、23時頃までじっくり話し込んだ。昨年から1000人も参加者が増えて「これくらいの規模がちょうどいい」などと言っていられる状況でもなくなってきたが、東京開催では急速に失われつつある「お互いの顔が分かっている感覚」が心地よいイベントだったと思う。
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