ゲームマーケットでは、購入やお話もそこそこにして会場内でできるだけ遊ぶようにしている。ゲームマーケット大賞の情報収集という意味もあるが、個人的にも、たくさんの新作が毎日のようにリリースされる昨今、買ってもなかなか遊ぶ機会がなく、積みゲーになってしまいがちだ。また今回は、海外から「新作情報がほしい」というリクエストもあり、より積極的に遊ぶようにした。
試遊卓は1卓ということがほとんどで、前のグループが終わるまで待つことも多いが、ノリのよい関西の方々と遊べたのでとても楽しかった。ルール説明して下さったスタッフの方、ご一緒してくださった皆様、ありがとうございます。
『アニュビスの仮面』に続くスマホを使ったVRゲーム第2弾。専用のアプリをインストールしたスマホを紙製のゴーグルにセットしてスタート。見える風景を言葉で伝え、ほかの人はその情報をもとに、タイルとコマを並べてマップを再現する。プレイヤーが交代するたびにマップ内の位置が変わり、最終的にそれらの情報を組み合わせてひとつの大きなマップを組み立てる。
今回は「ムー公認」ということで海底のモアイ像という独特の世界観を打ち出している。粘土を使って「ラパラパ」という宇宙人を造形し、何体かいる「ラパラパ」が最後にUFOの発着点までたどり着ければ勝利となる。
マップと「ラパラパ」の姿は毎回自動生成され、100万通りぐらいになるという。また「ボードゲームらしさ」を追求し、マップを接続するときにパズルの要素を加え、はい・いいえ限定や擬音語など伝え方に制限を加えたりできるバリアントもある。
まず水上で見える風景を伝え、水中に飛び込んで中の風景を伝える。制限時間があるため、コミュニケーション力が試される。さらに終わってから、記憶を頼りに「ラパラパ」を粘土で作らなければならない。夢中になって遊ぶうちに、この海底神殿に迷い込んだような気分になる。
モニャイの仮面
デザイン・濱田隆史/イラスト・梶川晴香&村瀬都思/ギフトテンインダストリ(2017年)
2~6人用/10歳以上/30~60分/4600円
ライトな航海カードゲーム。自由楽暇がゲームマーケット2012春に発表した500円ゲーム『航海の日々』をリメイクした。『トゥーアンリミテッド』『大どろぼうとズルい騎士』に続くライトゲームだ。
各自船員チップをにぎり、一斉に公開。その後にイベントカードをめくって、1位から順にチップを支払ったり受け取ったりする。基本的には1位は支払いが少なくてすむが、イベントによって1位が損することもあり、どれくらい握るかで悩む。
イベントカードは「寄港」が出るまでめくり続けるので、まだ出ていないカードがだいたい分かり、カウンティングの要素もある。誰かの船員チップがなくなったところでゲーム終了となり、船員チップの一番多い人が勝つ。
追加ルールで効果が派手なイベントカードも加えると、ゲームはよりダイナミックになる。少なくにぎっているとペナルティというイベントなどもあって、「そろそのあのカードが出そう」「いやまだでしょう」などと会話も盛り上がる。
ボン・ヴォヤージュ 天気vs航海士
デザイン&イラスト・空地裕介/COLON ARC(2017年)
2~6人用/8歳以上/15分/1800円
アマゾン川で金鉱採掘を競うボードゲーム。第1回グループSNEボード/カードゲームコンテストで選外佳作だった作品をディベロップした。これで第1回の入賞作品は『ソラシノビ』『ギャンブラー×ギャンブル』(以上大賞)『アニマルマインド』『デモンワーカー』『ガリンペイロ』(以上選外佳作)と全て製品化されたことになる。
はじめに計画カードを一斉に出して、順番に1枚ずつオープンし、お金やワーカーを補充したり、地位を上げたりする。前の人と同じものを選べないところがポイントで、前の人が何を選びそうかを考えて計画カードを選ばなければならない。
補充が終わったらアクション。地位の高い順にワーカーを置いてアクションを行う。すでに誰かが選んだアクションを実行するにはより多いワーカーが必要だ。
特殊能力を得られる勝利点カードの購入や、次の年に持ち越せる貯金など、さまざまなアクションが用意されているが、メインは金鉱山。ここでは置いたワーカーの数だけ袋から特殊ダイスを引いて振り、出た数の金が得点になる。特殊ダイスは6分の1しか金が出ない白から、半分の確率で金が出る紫まで確率が異なり、ダイスを引いては盛り上がり、振っては盛り上がる。
ワーカーをひたすら金鉱山につぎ込むというギャンブルだけでは長期的には勝てず、勝利点カードの特殊能力もじわじわと効いてくる。細部に至るまで作り込まれたゲーマーズゲームである。
ガリンペイロ
デザイン・増川和人/イラスト・緒方剛志/cosaic(2017年)
3~4人用/12歳以上/45~60分/4500円
つづく