アスモデ社(フランス)は2日、ハイデルベルガー出版(ドイツ)、エッジ・エンターテインメント(スペイン・フランス)、ミレニアム(スペイン)の3社を合併したことを発表した。フランス・北米市場で合併を繰り返してきたアスモデ社がボードゲームの本場ドイツでも益々影響力を強める。
アスモデ社は1995年に設立、2004年にデカルト出版を買収してフランス最大手のボードゲーム出版社となった。2008年にはエッセンにドイツ支社を設立。2013年に新レーベル「スペースカウボーイズ」を立ち上げるなどグループ内開発を進める一方、2014年から各国の出版社を合併し始め、デイズ・オブ・ワンダー(フランス)、ファンタジーフライト(アメリカ)、パールゲームズ(ベルギー)、ズィーマンゲームズ(アメリカ)などを傘下に収めてきた。これによって『チケットトゥライド』『宝石の煌き』『世界の七不思議』『ディクシット』『ドブル』『ジャングルスピード』『コルトエクスプレス』『タイムストーリーズ』『パンデミック:レガシー』などの人気作品を数多く扱っている。
ハイデルベルガー出版は1991年に設立され、小規模出版社や外国出版社の販売をドイツ国内を中心に行ってきた。日本の作品もヤポンブランド創立以来取り扱われている。『アラカルト』『コードネーム』『キング・オブ・トーキョー』『ギフトトラップ』『シヴィライゼーション』『小早川』などの作品がある。アスモデ社とは2015年8月から物流で提携していたが、昨年8月にH.ビルツ社長が57歳で急逝し、先行きが不透明となっていた。
アスモデ・ドイツのC.ラップ社長は「ハイデルベルガー出版がアスモデファミリーに加わったことを喜んでいます。この合併により、アスモデは素晴らしい新作だけでなく、多様な同僚も獲得します。どちらも近年の成功をさらに高めるのに役立つでしょう」とコメントしている。ファンタジーフライト社と同様、合併後もハイデルベルガー出版のオフィスは継続し、クマのマークのロゴでボードゲーム開発も行う。
ドイツでは、自社以外のボードゲーム流通を大規模に手がけている会社としてほかにペガサス、フッターがあり、今回の合併で業界再編が進むかもしれない。ドイツ国外では関係各社ごとにライセンスが異なるため、日本への影響は小さいとみられる。
・Asmodee:Asmodee und der Heidelberger Spieleverlag fusionieren!