ヴィレッジオブファミリア(Village of Familiar)

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あのカードが来るまでは!
ヴィレッジオブファミリア
見習い魔法使いたちが、どんどん高くなる魔法のツリーハウスを作っていくゲーム。ワンドロー渾身の一作で、ゲームマーケット2015秋に発表された。リアルタイムドラフトという、非常に斬新なシステムが採用されている。
カードを各プレイヤーに均等に配り、各プレイヤーの山札とする。その山札から8枚を引き、手札にしてドラフトスタート。手札から1枚を選んで残りをとなりのプレイヤーのところに置き、逆どなりのプレイヤーからまわってきたカードを取ってまた1枚選ぶ。こうして各自が5枚を選ぶまで続ける。
このドラフトをリアルタイムで行うというのはどういうことか。自分がどれを取ろうか迷っているうちに、となりの人がさらに次の1枚を選んで、先に置いていたカードの上に重ねてしまう。その結果、誰かが5枚選んだ時点で、まだ1,2枚しか選んでいない人もいることになる。となりの人からまだ回ってこなければ、自分の山札から取って選んでもよいので、山札があるうちは滞らない。
先に5枚を選び終えるとボーナスがあるので、早く選んだほうがよい。しかし、ゆっくり選ぶことにもメリットがある。落ち着いて考えれば無駄なカードを取らなくて済むし、前の人から回ってきたカード2回分の中から選べばほしいカードが入っている確率が高い。とはいえ、この部分はハイペースだ。狙ったカードが来て喜んだり、1枚もほしいカードがなくて悲鳴を上げたり。
こうしているうちに全員が5枚選び終えると、カードの数字の小さい順にカードを並べて村を作る。カードの多くは樹木で、ツリーハウスを作っていくわけだが、色別に、レベルの小さい順に置いていかなければいけないというのがルール。そしてカードを置くと、そこに指示されたアクションができる。アクションは「使い魔」というコマをボード上に登場させ、資源を集め、その資源をポーションにし、そのポーションを得点にするという4段階。資源もポーションもカードごとに種類が指定されているので、得点まで結びつけるのは容易ではない。
カードを配置してアクションを行ったら、次のラウンドへ。4ラウンド終了後、ツリーハウスの高さや効果による得点、予め渡されている「課題タイル」を達成している場合のボーナスなどを足して得点の多い人が勝つ。
4人プレイで45分ほど。レベルの高いカードは枚数が少なく、ドラフトで回ってきたら「倉庫」に確保しておいたが、その手前のレベルがなかなか来ない。虎視眈々と狙って最後に引き当て、高得点の最高レベルを達成。使い魔から得点もうまく結びつけることができて1位。欲しいカードを絞りこみ過ぎるとなかなか回ってこなくて厳しいので、ほかのプレイヤーの状況を見て、臨機応変に狙いを変えていくしなやかさが求められるようだ。
焦らず、慌てず、諦めず。リアルタイムの慌ただしさの中で会話も盛り上がる作品である。
ヴィレッジオブファミリア
笠輪弘樹/ワンドロー(2015年)
3~4人用/6歳以上/30~60分

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