見たままを伝えることの難しさ
3Dの映像を元にピラミッドの迷路を構成する協力ゲーム。スマートフォンのアプリを使うデジタル・アナログ融合型の作品だ。『アラビアの壺』『ダッタカモ文明の謎』と立体コンポーネントの作品で注目されてきたギフトテンインダストリからゲームマーケット2015秋に試作品が発表され、2016神戸で発売となった。
無料アプリをダウンロードしたスマートフォンに今回のマップ番号(人数によって難易度を変えられる)を指定したら、そのスマートフォンを「アニュビスの仮面」にセット。これを装着すると、視界はスマートフォンの画面だけになる。まずは最初のプレイヤーから。
上を向くと画面に光が差し込み、ピラミッドの中の迷路が3Dで表れる。そこから1分の間に、視界に見えるものを言葉や身振りで説明するのだ。「左に曲がるL字路があり、つき当りに松明があります!」これを聞いてほかのプレイヤーは、手元のタイルやコマを並べて迷路を再現していく。
仮面を装着したまま左を向けば、迷路も90度回転する。「今左を向きました。ここは壁です!」ほかの人は質問してもよい。「壁には何かありますか?」「ええと・・・あ、終わりました。」1分経ったら迷路が消えて次の人の手番。今度は迷路の別の地点が表れる。
何回か手番を行ううちに、別々に作られていた迷路のタイルが、コマを手がかりにして合体する。地点が違うといっても同じ迷路なので、そのうちつながってくるのである。手番と手番の間には、作戦タイムを設けることができ、タイルがつながるか皆で相談できる。
こうして何回か繰り返したら、最後に答え合わせ。スマートフォンが声の案内をしてくれるので、その指示に従って、タイルの入口(これもゲーム中に明らかになる)からコマを進めていく。指示通りにゴールにたどり着けば見事ゲームクリア。途中でタイルが間違って置かれていて、指示通りにはゴールに行けなければ失敗。
迷路の中は、スタートマスにいる犬「ルド」、ゴールマスにある「王の宝」、松明、絵画、石像、植物、3種類のモノリス、通路を動き回っている「アニュビス君」・・・これらはタイル上ではコマやチップで表され、同一の地点であることを特定する手がかりとなる。落ち着いて伝えないと混乱を招くだろう。
難易度の低めのマップを2人プレイで20分ほど。1分という制限時間があるために焦って100%伝えることはできないし、聞いてもチップをどこに置いたらよいか分からないこともあるのがアナログの面白さ。「えっ、右ってどっちの右ですか?!」マップは完成しなかったが、何とかスターとからゴールまではつなぐことができて成功。現在はマップの数が限られているが、今後はランダムに生成されるマップも計画しているとのことで楽しみである。
アニュビスの仮面
濱田隆史/ギフトテンインダストリ(2016年)
2~7人用/10歳以上/30分
ギフトテンインダストリ:アニュビスの仮面
英語のタイトル Anyubis’s Mask はどこで確認できますか?
公式の英題が見つからなかったので当方で翻訳したものです。公式が出ればそれに合わせます。
了解です。pgdb に登録申請が来たところなのでチェックしていました。Anyubis’s は変なのでAnyubis’ にしますね。