シュピール’14:ホビージャパンの輸入リスト第1弾

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ホビージャパンは、先週ドイツで開催されたボードゲームメッセ「シュピール’14」で発表された新作の中から、輸入リストの第1弾を発表した。フェアプレイ誌のスカウトアクション(TGiWニュース)で上位にランクされた話題作が中心で、いずれも11月下旬発売予定。

アクア・スフィア(AquaSphere)
S.フェルト作、ホールゲームズ(ドイツ)、2-4人用、12歳以上、プレイ人数×25分、6600円(税別)。スカウトアクション1位。
深海よりニュース! アクア・スフィアは大洋の水底深くに設けられた研究施設だ。そして、君たちは熟練のチーム――エンジニア、科学者、プログラム可能なロボット、探査用潜水艇で構成される――であり、可能な限り多くのデータを採取することが目的です。
『アクアスフィア』のゲームボードは2つのエリアに分類されます。ひとつは6つの区画に分かれた研究所。実験室では科学者が実験を行っており、指令室ではエンジニアがロボットを操作しています。
ゲーム中、プレイヤーは自分のターンにさまざまなことを実行します。例えば、エンジニアを指令室で使用して、ロボットにプログラムを組み込むことで、毎ラウンド3~7つのアクションを実行させることができます。科学者はロボットを区画へ持ち込むことで、アクションを行います。
研究所を拡大するようなアクションを行うには、探査潜水艇を送り込んでクリスタルを採集し、海洋生物の調査をし、チームの能力を高め、知識ポイントを集めることで勝利を目指します。追加の挑戦の結果は研究所の規模により変わり、個人の資産で変わります。プレイヤーは自分の研究所を拡大することができ、生命維持も容易になりますが、反面コストは上昇します。
『アクア・スフィア』は戦略性と戦術性のそれぞれが必要な、勝利への道筋が一つとは限らない、計画しそれを実行する技術が求められる、長期的な展望と短期の利益を考えなければならないゲームです。
デザインは『トラヤヌス』などでおなじみのシュテファン・フェルト。『FAIR PLAY』誌による2014年エッセン・ゲームショー会場内で実施された新作人気投票(スカウトアクション)で堂々の1位を獲得した話題作です!

春秋戦国(ZhanGuo)
M.カネッタ、S.ニッコリーニ作、ホワッツユアゲームズ?(イタリア/ドイツ)、2~4人用、12歳以上、60~120分、7400円(税別)。スカウトアクション3位。
時は紀元前230年~紀元前221年。秦の若き王は中原を統一し、戦国諸国を支配下に置いた。そして中国史で最初の皇帝の座についた。彼こそが、秦の始皇帝である。中華帝国を作り上げるためにさまざまな改革を推し進めるため、皇帝はひと時も時間を無駄にはしなかった。始皇帝は国を県に分割し、中央や地方の役人を指名した。また、国内で使用する文字を統一した。さらに、法の整備や度量衡の統一、通貨の統一を行い、経済環境を整え、帝国の発展の礎を築いた。この新帝国にとって、内政だけをしていればよいわけではない。北方からは匈奴の脅威が控えており、始皇帝は彼らの侵攻を止めるために、人類史上最も野心的な建造物、万里の長城を建設する必要があることを知っていた。多くの農民が彼のもと建築に従事したが、長城だけではなく、道路や運河、宮殿、そして素晴らしい兵馬俑で知られる秦始皇帝陵の建築なども行った――
プレイヤーは皇帝の使者となり、帝国の建設を進める名誉ある仕事につきます。長城や兵馬俑の建設を助け、国内の必要な施設の建設を進めるのです。ゲームの期間の5ラウンドの間、各ラウンドに得られる何枚かのカードを的確に使用しなければなりません。カードは、個人ボードにプレイすることで、帝国内での自分の権力を強めることにも使えますが、ゲームボード上にプレイすることで労働力を集め、皇帝の命による建築物を建て、秦の兵を招集し、各国へと軍を進めることもできます。
プレイヤーは、ここぞという時に適切な行動をとり、皇帝の歓心を得なければなりません。しかし、権力が強くなりすぎてしまったり、労働者を個人の権力の増長のために酷使し過ぎると、民衆の不満はつのり、新たに帝国に組み敷いた王国に反乱の危険が増してしまうでしょう。こうして、もっとも皇帝の命に従い、同時に民心を平穏にためったプレイヤーが勝者となります。
世界史に名を刻む秦の始皇帝の帝国建設をテーマとしたゲームです。

工房の錬金術師(Alchemists)
M.コトリー作、チェコゲームズ出版(チェコ)、2~4人用、13歳以上、90分、6600円(税別)。スカウトアクション4位。
マンドレイクの根、サソリの尾、スカスカのキノコにイボだらけのガマ――これらは錬金術師の日々の暮らしと科学と技術の基礎となるもの。しかし、これらの奇妙な材料は如何なる魔術的な秘密を宿しているのか――今こそそれを解き明かすときです。材料を薬にかき混ぜて、飲む――もしくは、安全を期して弟子に飲ませてみる。はたしてその効能は? 旅の冒険者にこの薬を売って財をなし、その財をもって魔法機械――アーティファクトに投資するのです! あなたの知識が増えていけば、その理論を書き記して周知することで否応が無くも名声は上がります。知識、富、名声こそは錬金術師の大釜の中に眠っているのです!
プレイヤーは駆け出しの錬金術師となり、その深遠なる技術を深めることになります。勝利点は様々な方法で獲得できますが、もっとも獲得できる手段は見つけた理論を出版すること。理論を見つける――これこそが問題となります。
ゲームは6ラウンドにわたって行われます。毎ラウンドの開始時に、各プレイヤーのプレイ順を決定しますが、後手に回ったほうがより良いものをもらえます。
プレイヤーはアクションスペースにキューブを置くことによって、行動をすべて計画し、順に解決していきます。プレイヤーは材料を混合することで知識を得、ゲームごとに変わる法則により導き出されるその結果を、スマートフォンのアプリ(iOS、android、ウィンドウズ対応)で確かめることになります(※)。錬金術師が他の同業者と差別化を望むのであれば、魔法の工芸品、アーティファクトを購入することも可能です。力あるアーティファクトは9種類(毎ゲーム異なります)あり、その効果は絶大ですが価格もそれなりにお高いものとなります。しかし、金なんてものはどうでもいい! 重要なのは錬金術学会での名誉こそが重要なのだ! しかも、アーティファクトは持ってるだけで名声がちょっと上がる。お金に関しては怪しげな効能のポーションを冒険者たちに売ることで稼ぐことができますが、最後に意味を持ちます。とにかく、富を求める錬金術師はまずおらず、彼らの求めるのは賞賛と名誉、特に発表した論文が称賛されることこそが彼らの目的なのです。
錬金術の秘密が明かされ、プレイヤーの理論がどれだけ正しかったのかが明かされた時、もっとも名声を得た錬金術師こそが勝者となるのです!
アプリケーションによる裁定など、斬新な補助システムを導入することでプレイも容易となる、ちょっと変わったゲーマーズゲームが得意なCGE社の作品です。
※アプリが無くてもゲームはプレイできますが、あるとプレイが快適になります。

デウス(Deus)
S.ドゥジャルダン作、パールゲームズ(ベルギー)、2~4人用、14歳以上、60~90分、8000円(税別)。スカウトアクション5位。
それぞれの文明を受け持ち、共通の環境下で文明を発展させていくゲーム。各プレイヤーは5枚の建築物カードをもってゲームを始め、これらを使って建築物を建てるか、捨て札にして神々に捧げます。カードの種類は6種類あり、赤い軍事カード、茶の資源カード、黄の交易カード、青の得点カード、紫の寺院カード、緑の様々な効果を持つカードがあります。
建物を建てるときは、連結式のゲームボード(プレイ人数によって使う枚数が異なり、7つの地域からなるメガヘクスを組み合わせます)上の適切な場所に建てなければなりません。建てる場所が決まったら、カードを個人ボードの上にそれぞれの色ごとに重ねて置き、その効果を重ねたカードの下からすべて発動させます。
神に捧げものをするときは、カードを捨て、捨てたカードの種類に関連する神の助力を得ますが、捨てるカードが多ければ多いほど、その力は大きくなります。そして最後に、手札を5枚になるまで補充します。
ゲームはゲームボード上の蛮族の村をすべて包囲して攻撃するか、すべての寺院が建築されたときに終了します。どの行動を取ればアドバンテージが取れるか、カードのプレイが重要な、人気の文明発展テーマのゲームです。

グロッグ・アイランド(Grog Island)
M.リーネック作、エッゲルトシュピーレ(ドイツ)、2-4人用、10歳以上、60分、5800円(税別)。スカウトアクション?位。
最強の海賊といえども、その殺戮と略奪の生活から引退の日を迎えることになりました――が余生は何をしていくことになるでしょう? そう、5つの島からなるグロッグ・アイランド(”水割りラム酒”島)で、彼らは安定した堅気の仕事をすることになったのです。たとえば、義足屋や、船首につけるフィギュアヘッド木工所、ヴードゥー人形屋、そしてかの有名なグロッグ・ホール・パブなど。
グロッグ・アイランドのキモは、5色のダイスを使ったユニークなアクションシステムです。プレイヤーはこのダイスの目を使って、競りをすることになります。この競りの勝者は特定の島に建物の権利を得ることができるという寸法なのです。しかし、パスしたプレイヤーにも報酬はあります。もらえるものはグロッグ瓶みたいな商品やお宝の地図とは限りませんが、商船に行けば。こういった品物を金や、鸚鵡や、宝箱に換えてもらえます。この競りこそがグロッグ・アイランドのゲームのキモとなるところで、場合によってはパスしたほうが、競りに勝つよりイイモノを手にできるかもしれません。生き残るコツは、競り上げるのと、ばっくれるのとを程よくやることです。
ゲームは誰かが一定数の建物を手にしたときに終わります。そうしたら、みんなゲームの開始時やゲームの途中で手にした秘密の目的カードをオープンにして、点数を計算します。カードは島での優勢度や特定の種類の建物を獲得したり、特定の品物を獲得することで点数になります。もちろん、点数が一番多かったヤツが、海賊人生とゲームの勝者と言うわけです!
『サンティアゴ・デ・クーバ』や『キューバ』で評価の高いミヒャエル・リーネックによる競りのシステムが面白い作品です。

グロッグ・アイランド

カルナック(Carnac)
E.ヴェントリーニ作、フッフ&フレンズ(ドイツ)、2人用、8歳以上、15分、3800円(税別)。スカウトアクション?位。
シンプルでプレイ時間も短い、2人用のアブストラクトゲームです。プレイヤーは自分のターンに、2つのキューブがつながった”メガリス”コマを共通のストックから取り、ゲームボード上に寝かせずに立てて配置します。対戦相手がメガリスを倒そうとするか、スペースが無くて倒せなくなったらターンが移ります。
プレイヤーはゲームボード上のマスを、自分の色のシンボルの面を向いたメガリスが置かれていると支配していることになります。ドルメンは、こうして支配したマスが少なくとも3つ繋がっている状態のものです。そしてこのドルメンの数が多いプレイヤーが勝者となります。
メガリスはすべて同じで、それぞれのプレイヤーの色が3面ずつ描かれています。そして、プレイヤーはそれぞれ同じ条件で、自分がどこにどの面を向けてメガリスを置いたらよいのか、対戦相手はそれを倒すのか、放置するのかを考えながらメガリスを配置していかなくてはなりません。そして自分の色がより多く見えていることは、勝利につながらないかもしれません。というのも、ドルメンの数が重要なのであって、つながった大きなドルメンになってしまっては勝利が遠のくからです。
美しいコマと、柔軟な戦略眼が必要なアブストラクトゲームです。 

カルナック

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