セイルトゥインディア(Sail to India)

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超節約探検術
Sail to India
大航海時代に、商品を売ったり技術を使ったりしてインドを目指す航海ゲーム。ゲームマーケット2013春にOKAZU Brandから発売されたが数分で売り切れ、秋に豪華版がゲームフィールドから再版された。当サイトの新作評価アンケートで1位。たった35枚のカードと各色10個ずつのコマで、60分を超える重量級のゲームが楽しめるという、日本のミニマリズムの本領を発揮した作品だ。
12枚の寄港地カードが並び、はじめスタート地点であるリスボンに近い3枚だけが見えている。そこから先は未開の地だ。リスボンに自分の船を置いてスタート。
自分の番には、船の追加、船の移動と商品の入手、商品の販売、建物の建設、技術カードの購入、船の移動力アップという6つから2アクションを行う。メインは船の移動と商品の入手で、船をインドに向けて進め、辿り着いた寄港地で商品を手に入れる。
このゲームの悩ましいところは、コマが船も商品も建物も全て兼ねているところである。寄港地には商品や建物のマークがあり、船をそこに置いて入手・建設したことを表す。すると、船ではなくなってしまう。次の船はまたリスボンからスタートとなる。
効率よく進めるには、複数の船を作って、1回のアクションで一度に移動し、それぞれの船を商品にすることだが(一度に他種類の商品を販売すると勝利点も高くなる)、そのためには船を追加したり、移動力をアップするコストがかかる。でもお金はいつもカツカツで、序盤は1金に泣く場面が多々ある。
さらに、勝利点・お金マーカーも同じコマを使い、1つのマーカーでは5勝利点、5金までしか記録できないというマゾヒスティックなルールが存在する。5勝利点から1勝利点足すのに、船を減らさないといけない。こうして手持ちのコマはどんどん少なくなっていくので、一気に稼げるのはわずかなタイミングしかない。
4人プレイで1時間少々。最初から未開の地を目指し、技術カード「活版印刷」(新たな技術を取るたびに勝利点)で序盤から勝利点を稼ぐはずだったが、すぐにお金が底をついた。お金が入るのは商品を売ったときだけなので、お金がないと船1つで移動、販売を繰り返さなければならなくなってしまう。その間にtomokさんが技術カード「工場」(商品を売る旅+1金)を購入して徐々に差を広げる。しかし、我慢して建物「商館」(販売する商品を自動で1種類追加)を建てたbashiさんが資金繰りをうまくやってボーナスがもらえる高価な技術カードも入手。これで1位となった。
商品か探検重視か、建物や技術カードはどれを取るかによって戦略が変わり、さまざまな戦い方ができる作品。コンポーネントはミニマルだが、展開はマキシマムだ。
Sail to India
林尚志/OKAZU Brand、ゲームフィールド(2013年)
3~4人用/12歳以上/60~90分
ゲームフィールド:Sail to India

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