砂嵐と日照りに翻弄されて
『パンデミック』『禁断の島』のデザイナー、M.リーコックが今年発売した協力型の探検ゲーム。古代の都市を発掘に来た探検隊は砂漠の中で遭難してしまう。砂漠から脱出する方法は4つのパーツを集めて伝説の飛行船を作ること。しかし砂漠はいつも砂嵐が吹き荒れ、パーツはみるみるうちに砂の中に埋もれてしまう。さらに焦げ付くような日照りが隊員の命を奪っていく。
盤面は『禁断の島』と同様、タイルを並べて作る。『禁断の島』ではタイルが海に沈んで除去されていったが、『禁断の砂漠』ではタイルの上に砂マーカーがどんどん重なっていく。砂マーカーがあると発掘や通行ができなくなる。
手番にできることは移動、砂の除去、発掘、パーツの獲得で、4アクションが与えられる。移動して、砂マーカーを除去し、砂がなくなったところで発掘する(タイルを裏返す)というのが基本。
一番の目的は4つのパーツを全て獲得することだが、各パーツは、東西の位置を示すタイルと、南北の位置を示すタイルの両方がめくられてはじめて、その交点に出現する。つまり最低8枚のタイルを発掘しなければいけないことになる。盤面は24枚あり、そのうち8枚がパーツのありかを示すタイル。ほかのタイルも有用なものばかり(井戸、トンネル、アイテム)だが、8枚全部見つけるにはどんどん発掘していかなければならない。砂に埋もれたところに出現したりするのを、砂をかき分けて取りに行くのも一苦労だ。
手番が終わるたびに、砂嵐カードがめくられる。これによってタイルが何枚か移動し、移動したタイルに砂マーカーがのせられる。その中に入っている砂嵐レベルアップは砂嵐カードをめくる枚数が増え、日照りは対策をしていない人の水筒(ライフ)が1つ減る。
ゲームは1人でもライフが0になったら敗北。また砂マーカーがのストックが切れたり、砂嵐レベルが最高に上がったりした時も敗北となってしまう。その前に4つのアイテムを全部集めて発着所に集合できれば勝利。
ゲームを勝利に導くためには、各プレイヤーがもっている特殊能力(斜め移動・砂の除去ができる、1アクションで2枚除去できる、積もった砂を通り抜けられるなど)を活かした行動を取り、また発掘で手に入るアイテム(砂を一挙に除去できる、めくっていないタイルの中身を見る、仲間とワープできるなど)をやりとりして有効活用することがカギとなる。
5人プレイのノーマルレベルでプレイ。ゲーム開始後まもなく、ライフ0の人が出て敗北。そこで初級レベルに下げて再挑戦したところ、何と連続3回敗北を喫してしまう。1回は砂マーカー切れだが、あとは日照りによる死亡である。そこで対策を練って、水運び(井戸から何度でも水を汲める)がこまめに水を配って歩き、危ない場面ではトンネルかサンシールドに避難することを徹底した。5回目、「次にこの砂嵐カードが出たら終わる」という場面が2度ほどあったが、運に助けられて辛くも勝利。BGGのフォーラムを見たところ、人数が多いと水の供給が滞りがちで難易度が上がると書いてあった。
ベストを尽くした上で立ちはだかるこの難易度は、協力ゲームの醍醐味がマゾヒズムであることを教えてくれる。人数が少なくなるともう少しクリアしやすくなると思われるが、さてどうだろうか。
Forbidden Desert
M.リーコック/ゲームライト(2013年)
2~5人用/10歳以上/45分
国内未発売
4つのアイテムを飛行船に取り付けてクリア!