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前に出た色のカードを、出してはいけないという異色のトリックテイキング。こういう変なゲームを作るデザイナーはそう、ブルクハルトである。タイトルもイラストも、いい具合に力が抜けていていい。
ブルクハルトの作品一覧(play:game)
スタートプレイヤーから1枚ずつカードを出して、数字の最も大きい人が取る。このとき、前に出した人と同じ色を出してはいけない(5人プレイの場合のみ、1枚だけ同じ色でもよい)。4人なら、4色が出揃うことになる。後の人になるほど、色のしばりが厳しくなって、出せるカードが限られるという仕掛けだ。
得点は、何色で勝ったかによって変わる。色ごとに数字の分布が異なり、5~18のカードがある赤で勝っても1点だが、2~12の黄色で勝てば4点になる。黄色で勝つには、赤や青で低い数字が出てきたときや、高い数字がみんなの手札になくなった頃合いを見計らって出さなければならない。
しかし、誰かが出すべき色をもっていない場合、手札を公開してラウンドが強制終了してしまうのである。「はい持ってませーん!」「うっそー、勝負はこれからだったのに!」
もうひとつ、タイトルにもなっている「ポテトマン」は、最弱である黄色の数字の低い方についている。これは、最強である赤の数字の高い方についている「悪のポテト」と同じトリックに出されると、無条件で勝てるジョーカーなのである。このルールのため、赤の数字の高いカードが絶対勝てるわけではない。むしろ序盤では、ポテトマンを警戒して出しにくくなる。絶妙なルールだ。
人数分ラウンドを行なって、合計得点の多い人が勝ち。
5人プレイ。最初は全くコツがつかめず、無得点が続いたが、次第にどの手番順でどのカードを出せばよいのか飲み込めてくる。鴉さんが最初にポテトマンを出す「待ち伏せ作戦」を成功。確かに、ほどよくカードがなくなった辺りだと、悪のポテトしか手札にない人がいるので成功しやすいのかもしれない。でも成功したのは1回だけだった。勝者は赤以外のカードでコンスタントに得点したbashiさん。
ドイツのトリックテイキングゲームは数多く発売されているが、異色度合いは群を抜く作品である。それでいてルールが少なめなのもよい。
Potato Man
G.ブルクハルト、W.A.レーマン作/ツォッホ出版(2013年)
2~5人用/10歳以上/40分
国内未発売
・メビウスおやじ:ポテトマン