11月18日、東京・浅草の都立産業貿易センター(台東館)にて、国内最大のアナログゲームイベント「ゲームマーケット2012秋」が開かれた。参加者数は後日、主催者発表があると思うが、おそらく過去最高だったのではないだろうか。
開場時の行列が、主催者の想定を超える長さだった。7階フロアに待機列を作っていたが、その列が階段に伸びて1階まで続いた。開場30分後にようやく、4階と5階の入口がオープン。行列が2列になった上に、いったん会場に入って出てくる人の行列までできる始末。結局、並ばないで入場できるようになったのは11時頃だった。
大別すると4階は国産オリジナルゲーム、5階は輸入ゲームがメインだったが、4階のほうが圧倒的に混んでいた。国産オリジナルゲームは小部数製作・売り切りで再版予定なしというものが多く、「ここでしか買えない」という焦りが4階に向かわせたようだ。事実、開場後数分で瞬殺というところが続出し、午前中で売り切れたところも少なくなかった。
4階の買い物がひと通り終わると、5階に移動するというコース。5階では体験卓がたっぷり取られていて、無料で遊ぶことができた。体験卓で遊ぶともらえるスタンプラリーも大いに賑わっていた。5階では『テレストレーション』日本語版を発売したテンデイズゲームズが特に人気。前日にネット生中継で新作を紹介するなど、メディア戦略がうまい。
今回も、Table Games in the Worldでは国産新作オリジナルゲームリスト、書籍リスト、輸入新作ゲームリストをまとめ、PDFファイルで配布した。現地での追加もあったが、このリストでは国産新作オリジナルゲームが123タイトル、輸入新作ゲームが65タイトルにのぼる。これだけ多いのに、どこかに集中するでもなく人が分散していたのは参加者数の多さを物語るものだろう。ゲーム内容も多様性に富んでいて、どんなニッチなニーズにも応えていたように思う。
一方、全体的に苦戦していたのは中古ゲーム。今年復活した床売りバザールは売れ残りが目立ち、オークションは賑わったものの比較的安価でで落札された。前から遊んでいる人は飽和状態にあり、新しくボードゲームを始めた人は知らないという状況で、売れるタイトルは非常に限られているようだった。
会場では今回も多くの方に声をかけて頂き、お話しすることもできた。混雑がだいぶ和らいだ昼過ぎ、4階を歩いていてふと心地よさを感じた。同好の士が集まるアットホームな雰囲気がここにはある。
会場となった台東館のとなりには東京スカイツリーが間近に見える。
開場1時間後の4階。今回は圧倒的に国産オリジナルゲームに人が集まった。
カワサキファクトリーの川崎晋氏。2人用の推理・ブラフゲーム『ギシンアンキノトウ』を発表。
ホビージャパンの日本語版隠し玉は『ピックス』。ドット絵でお題を表現するスイスのゲーム。
グループSNEでは待望の『キャット&チョコレート』再版。作者の川上亮氏とともに。
『テレストレーション』日本語版を発売したテンデイズゲームズのスタッフ。ほかの輸入ゲームにも人気。
ゲームマーケット名物のオークションが復活。オークショナーはおなじみ、小林俊雄氏。