ベガス(Vegas)

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どのテーブルに行くか悩む
2012年度のドイツのゲームシーンを、年間ゲーム大賞広報のT.フェルバー氏は「ダイスの年(Das Jahr des Würfels)」と振り返る。その多くは『ボーナンザダイス』『ズーロレットダイス』『頭脳絶好調(インジーニアス)ダイス』など有名タイトルのダイスゲーム版だったが、その中から審査員が今年の代表作としてノミネートしたのがこの『ベガス』である。
注目のドイツ人デザイナーR.ドーン(『アルカディアの建設』『ダイヤモンドクラブ』)が、これまた注目のブランド「アレア」から発表した作品だが、同じダイスゲームだったアレアブランドの『ラムと名誉』(2006年)とは比べ物にならないほどシンプルにして、「これは本当にアレア?」と思うほどの軽いゲームとなった。『ロイヤルターフ』よりもさらに軽い。

サイコロで1〜6の目に対応する6つのカジノテーブルで、一番多くサイコロを置いて賞金を獲得するゲーム。毎ラウンド、はじめに各テーブルに賞金が配られる。賞金カードを山札からめくっていって、5万ドル以上になるまで。9万ドル1枚のテーブルや、2万ドル、2万ドル、3万ドルといったテーブルができる。もちろん高額のテーブルほど競争率が高い。
手番には8つのサイコロを一度に振って、目を1つ選び、その目が出たサイコロを全部、対応するテーブルに置く。1周したら残っているサイコロを振って、また目を1つ選び、その目が出たサイコロを全部置く……の繰り返し。
高額のテーブルにたくさん置きたいけれど、そう都合よく出てはくれない。しかも競争率が上がれば、たくさん置いても賞金がもらえないかもしれない。ほかの人がどこにどれくらい置いているかを見ながら、よく考えて選びたい。
一度にサイコロをたくさん置いて手番が先に終わる人もいるが、結局全員、8つのサイコロをどこかに置くことになる。置き終わったらお楽しみ、賞金の分配。
賞金に預かるには、単独で1位にならなければならない。同数タイの場合は、次点に権利が移る『ハゲタカのえじき』方式。賞金が2枚、3枚ある場合は、同様に単独で2位、3位の人がもらえる。出したくない目が出て、誰ももらえないことも(それはそれで、ほかの人の権利をつぶすので有効だが)。4ラウンドの合計で賞金総額の多い人が勝ち。
5人プレイで30分。第1ラウンド、高額賞金をめぐって鴉さんと一騎打ち。結局8つ全部を同じ目にするという快挙で私がゲットした。しかしこのような一極集中は得策ではない。その間に満遍なく取ったABBさんが1位。鴉さんはことごとく邪魔されて最下位に沈んでいた(トップ叩きはできるが、それも運次第なので誤爆もありうる)。1個か2個ずつ置いて様子を伺っていく戦法と、一気に置いてほかの人に諦めさせる戦法があるようだ。ダイスゲームだが、サイコロの目の選択が悩ましく、また遊びたくなる魅力(ギャンブル中毒?)がある。サイコロいっぱいをジャラーッと振るのも気持ちいい。
Vegas
R.ドーン/アレア(2012年)
2〜5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズより発売予定

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