高い財宝を持ち帰るべし
マルセイユ沖の城に隠された財宝を集めるボードゲーム。このお城に隠された財宝は、小説『モンテ・クリスト伯』の主人公ダンテスがかつて投獄され、脱獄してイタリアのモンテクリスト島から持ち帰ったものである。つまりこのゲームは小説の後日譚ということになる。
ゲームは、�@かばんカードで探検家を補充し、�A6ヶ所の地下牢に探検家を送り、�B地下牢に財宝チップを配置して、地下牢の財宝がいっぱいになると得点計算をするという流れである。得点計算では、地下牢ごとに探検家の多い順に財宝チップを取るが、財宝に対応する色のかばんカードが必要となる。また、財宝の色によって価値が異なるので、どの地下牢が儲かりそうか、そしてほかの人を出しぬいて財宝を取れそうか考えなければならない。
このゲームの特色は、手番がボールでどんどん変動していくところだ。アクションスライド(写真奥)の4つのレーンに、各プレイヤーのボールを置き、該当するアクションでボールが一番手前にある人がプレイする。うまくプロットすれば、「ずっとオレのターン!」が可能(その後しばらくヒマになるが)。
アクションが終わったら、ボールをほかの3つのレーンの一番上に移す。先の先を読み、自分のほかのボールの位置も見てアクションを選びたい。4つ目のアクションでは、ボールの位置か財宝の価値を変えることもできる。
私が価値の高い宝石で2回大量得点して、勝負は決まったかに見えた。しかしかばんを使い果たしてしまい、しばらく得点できなくなっているうちに、最後のラウンドでcarlさんが一気に追い上げて逆転。中盤から考えることが俄然増えてくるので、そこでどのような手を打つかが勝敗を分けたようだ。
デザイナーはフランス人だが、往年のドイツゲームのようなテキスト依存のない骨太なシステムである。深く考えなくてもプレイできるが、ほかの人のもっているかばんの色と地下牢の財宝の状況、手番の回り方など、いくらでも深く考えられる。価値の高い財宝で一気に大量得点することもできるので、お互い牽制しなければならない。満足度の高いゲームである。
The Secret of Monte Cristo
C.シャヴァリエ(Charles Chevallier)、A.ウルボン(Arnaud Urbon)作/ズィーマンゲームズ(Z-Man Games)
2〜4人用/8歳以上/45〜60分
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