発明の時代(Era of Inventions)

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自分の発明が世界を変える

ベルの電話機(1876)、ベンツの自動車(1886)、ライト兄弟の飛行機(1903)――これらの発明品は世の中をがらりと変えた。タイプライターから飛行機まで、さまざまなものを発明し、みんなに作ってもらって特許料を手に入れるオランダの経営ゲーム。ワーカープレイスメントとデッキ構築を取り入れ、新しい境地を開いている。
手番には自分のマーカーを6つのアクションスペースに置いて、このラウンドのアクションを決める。それぞれのアクションスペースは先着2名までしか置けないというワーカープレイスメントである。さらに同じアクションスペースに置いた2人の間でも早い者勝ちとなっている。全員が置いてから、手番順に1つずつアクションを行うので、どれを優先させるかよく考えなければならない。また、このほかに取っておきの手番で使う追加アクションマーカーの使いどころも重要。
アクションは工場の建設、工場の稼働、資源の購入、開発歯車(発明に必要なインスピレーション?)の入手、発明品の開発、発明品の生産の6つがある。基本的には、工場を作って資源を生産し、その資源で発明品を生産する路線と、開発歯車を集めて発明品をどんどん開発し、その特許で稼ぐ路線がある。
工場は場札から選び、必要な資源を支払うことで建設できる。中にはお金や開発歯車を生産できる工場も。建設に必要な資源の入手はたいへんだが、ひとたび稼働すれば手持ちの工場全部が動くので、なるべくたくさん建てておきたい。
発明品は9つあり、どれを開発してもよい。ただし開発歯車の多いものは発明が難しい上に、資源もたくさん必要で序盤は生産してもらえない。一方、発明が容易なものは利幅も小さく、ゲームが進むと見向きもされなくなる。展開にあわせて皆がほしがる発明を心がけよう。また、開発するだけでなく特許も取っておくとよい。
面白いのは、発明品が開発されると対応する発明品カードが山札に加わるところだ。生産できる発明品は、この山札をシャッフルして出てくる。自分が発明したものが出てきて、誰かに生産してもらうとウハウハの特許収入。生産してもらえなければ捨て札になって後から再利用となる。デッキ構築を用いた発明品の登場が非常に楽しい。
といったわけで生産は手持ちの資源と相談しながら、どれにするかよく考えなければならない。生産すればお金や得点が入るが、同時にその発明品を開発した人に利益が入るからだ。発明品カードの中には「模造品」というのがあって、これならば特許をとっていないと利益が入らない。「オレが発明したのに!」と言いたくなる憎いルール。
規定ラウンドでゲーム終了。ゲーム中の発明や生産で得られる影響点とボーナスを足して一番多い人が勝ち。
序盤には工場で力をつけ、開発歯車を生産して終盤に難しい発明を次々と成功させた鴉さんが1位。私は工場も発明も中途半端で最下位となった。スタートプレイヤーは最初に木材を購入して工場を建設できるので強いのではないかという感想があったが、BGGのフォーラムを見ると、工場をブロックしたり、開発歯車を取って発明を急いだりといった対抗策で、工場が少なくても勝てるという。追加アクションマーカーも戦略を広げるので、もっと遊んでみたい。そう思うのは、戦略云々よりも、発明品を開発して特許で儲けるのが楽しいというのもあるからだけれども。
Era of Inventions
A.ダーメン/クワインドゲームズ(2010年)
3〜5人用/12歳以上/90分
テンデイズゲームズ:発明の時代

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