ドイツゲーム賞2012に『村の人生』
世界最大のボードゲームイベント「シュピール(エッセン国際ゲーム祭、ドイツ)」を主催するフリードヘルム・メルツ社は、23回目となる今年のドイツゲーム賞(Deutscher Spiele Preis)を発表した。愛好者の投票により、『村の人生(Village)』が1位に選ばれた。
ドイツゲーム賞は、前年の秋から当年の春までに発売された新作を対象として、はがき、インターネット、用紙で投票を受け付ける。5タイトルまで記入する方式で、上から5〜1点として集計し、合計点で順位を発表している。5タイトルの記入は必須ではないが、たいていは5タイトル以上新作をプレイしている愛好者が投票するため、毎年フリーク向けの作品が上位になりやすい。昨年は『世界の七不思議』、一昨年は『フレスコ』が受賞した。
今年1位に輝いたのはデザイナー、メーカー共にドイツの『村の人生』。村人が世代交代しながら一族の名声を高めるボードゲームで、昨年の『世界の七不思議』に続き、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞の受賞作が選ばれた。
エキスパートゲーム大賞のノミネート作品では、『ターギ』が6位。『K2』は圏外。ドイツ年間ゲーム大賞の中では、大賞の『キングダムビルダー』が7位、ノミネートの『ベガス』が8位、同じくノミネートの『ロバの橋』は圏外となった。昨年、一昨年と年間大賞は圏外で終わってきたが、今年はややゲーマー向けだったことが分かる。
ここ数年、ドイツ国外出版社の作品が数タイトル入っていたが、今年は全てドイツの出版社で占められた。ドイツの出版社が占めるのは『プエルトリコ』が受賞した2002年以来10年ぶり。
一緒に投票にかけられるドイツキッズゲーム賞には、日本国内でも話題を呼んでいるカードゲーム『いかさまゴキブリ』、お手本となる分かりやすいルールブックに贈られるエッセン金の羽根賞にはオリジナル日本産の『グリモワール』が選ばれている。授賞式は10月17日、「シュピール」前夜祭にて。
【ドイツゲーム賞2012】
1位:村の人生(Village / I.ブラント、M.ブラント / エッガートシュピーレ)
2位:トラヤヌス(Trajan / S.フェルト / アンモナイトシュピーレ)
3位:ハワイ(Hawaii / G.デージー / ハンス・イム・グリュック)
4位:祈り、働け(Ora et Labora / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ)
5位:ヘルベチア(Helvetia / M.クラマー / コスモス)
6位:ターギ(Targi / A.シュタイガー / コスモス)
7位:キングダムビルダー(Kingdom Builder / D.X.ヴァッカリーノ / クイーンゲームズ)
8位:ベガス(Vegas / R.ドーン / アレア)
9位:アフリカーナ(Africana / M.シャハト / アバクスシュピーレ)
10位:サンタクルーズ(Santa Cruz / M.A.カサソラ / ハンス・イム・グリュック)
【ドイツキッズゲーム賞2012】
いかさまゴキブリ(Mogelmotte / E.ブラント、L.ブラント / ドライマギア)
【エッセン金の羽根賞2012】
グリモワール(Grimoria / 木皿儀隼一 / シュミットシュピーレ)
・Deutscher Spiele Preis:Das Jahresergebnis 2012
スペイン年間ゲーム大賞ファイナリスト発表
スペイン年間ゲーム大賞(Juego del Ano)選考委員会は14日、審査委員会内の投票による今年のファイナリスト作品をホームページで発表した。来月コルドバで行われる第7回国際ボードゲーム祭にて、大賞が発表される。
スペイン年間ゲーム大賞は今年で8回目。過去には『禁断の島』『ファウナ』『ディクシット』『アグリコラ』などが受賞している。ここ3年はファミリーゲーム路線を取っているが、今年はドイツで高い評価を受けている『村の人生』が選ばれるかどうかが注目どころだ。
【スペイン年間ゲーム大賞2012ファイナリスト】
・花火(Hanabi/A.ボザ)
・キングダム(Kingdoms/R.クニツィア)
・村の人生(La Villa/ブラント夫妻)
・サンティアーゴ・デ・クーバ(Santiago de Cuba/M.リーネック)
・アイランド(The island/J.コートランドスミス)
(括弧内はスペイン国内の流通タイトルとデザイナー名)
・Premio JdA:Finalistas JdA 2012