プレゼントで変わるデッキバランス
砂のお城を作って自分のデッキをいち早くなくす「デッキ解体ゲーム」。アークライトが7月に日本語版を出す予定となっているが、その前にゲームストア・バネストがゲームマーケットに合わせて原語版を取り扱ったのでプレイしてみた。
中央に自分の木製ディスクを出して手番を始め、終わったら戻すというやり方で1手番ずつ、同時にプレイする(慣れないうちは、順番に確認しながらプレイしてもよい)。早く手番を終わらせたからと言ってアドバンテージはなく、単にプレイ時間を短縮するための措置である。
最初、全員が持っているデッキは同じ構成。山札からカードを引いて、手札の中から建設し、コストとしてカードを支払う。建設したカードは特殊能力(山札から引く枚数や、1手番で建設できるカード、手番終了時にキープできる枚数を増やすなど)をもたらし、コストとして支払ったカードは捨て札になって山札が切れたときに循環する。こうしてより少ない手番数で山札も捨て札もない状態にすることを目指す。
同時進行と言っても考えることは結構ある。「プレゼント」という、左隣の人に1枚カードをあげる能力が全員デフォルトであるのだが、カードをあげるとその分、コストとして支払うカードが少なくなり、コストの高い(=効果が強力な)建物を建てられなくなる。コストの高いカードを渡すと、後半で能力が伸びない。効率よく進めるには、バランスが必要なのである。
4人プレイで30分ほど。最初に建設コストの高いカードをどんどんプレゼントしていたら、山札から引ける枚数を増やせず、ジリ貧になって最下位。1位は隣から大量のただの砂の城(特殊能力がない代わりコストも安い)の提供を受けて建てまくったcarlさん。
直接攻撃がなくソロプレイ感が強いゲームだが、プレゼントによって微妙にデッキのバランスが変わるところが面白い。ゲームごとに3枚ずつデッキが入れ替わる「フルーツジュース」システムが用いられており、純粋に効率の良いデッキ解体を競うゲームである。
Feiner Sand
ゲームデザイン・F.フリーゼ/イラスト・H.リースケ
2Fシュピーレ(2018年)
1~4人用/10歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:ファインサンド