先生、お願いします!
徳川四天王と呼ばれる本多忠勝、井伊直政、榊原康政、酒井忠次が兵力を駆使して全国各地の支配権を争うフランスのゲーム。作者は『捧げ物(Offrandes)』のルフェブヴル。シンプルな要素で悩ましい場面を多く生み出すドイツゲーム的なデザインが魅力だ。なお、箱絵の渡辺謙みたいな人(右)は榊原康政である。
ボード上には北海道から九州まで、7つの地域がある。それぞれの地域を石高か兵力(武士や僧兵など)で落とすと勝利点がもらえ、その合計を競う。石高も、兵力も、その地域で必要なだけ揃えれば落とすことができ、自分の旗を置くことができる。このゲームの特徴は、その石高と兵力の分配方法にある。
毎ラウンド、石高と兵力を分配するが、ここで用いられるシステムは、分ける人と選ぶ人が違う「ケーキの切り分け問題」。各プレイヤーは大名、小名、先生(笑)、旗本の称号タイルをもっており、まず大名が石高・兵力・次の称号を自由に組み合わせて1人前のセットを作成、小名の人に渡す。小名の人は受け取るか拒否し、拒否したら先生へ。先生も拒否したら旗本に行き、全員に拒否されたら大名が自ら受け取らなければならない。1人受け取ったら、残った人で一番称号の高い人が次のセットを作成して受け取るかどうか諮る。
こうして全員分のセットが作成され、誰かに分配される。魅力的なセットはすぐ取られてしまうし、ショボければ自分に回ってくる。匙加減が難しいが、ほかの人が絶対ほしいものを読めれば、足下を見た分配ができるだろう。
大名は地域を征服できると+2勝利点、小名は+1勝利点。先生は自分の旗を2枚分にでき(ゲーム終了時、地域ごとに旗の数が多い人にボーナスが入る)、旗本は兵力が1枚増える。征服はこの順番で行うので、せっかく兵力を揃えたのに前の人に征服されて終わりなんてことも。
序盤は地域を征服するとボーナスチップがもらえ、これまた兵力を増強できる。征服できるところからどんどん落としていきたいが、あまりいろいろな地方に手を出すと、どこでも地域ボーナスが入らなくなるかもしれない。終盤は、一手差で征服できるかどうかの瀬戸際になり、ゲームが緊迫する。
神尾さんがエリアを固めてボーナスをものにし1位。悩んで悩んで、これは自分しか取る人がいないだろうというセットを作ってもあっさり取られてしまったり、逆に大盤振る舞いしたつもりでも誰も取らなかったりと、分配には少々慣れが必要なようだが、ほかのプレイヤーが悶絶するような微妙な組み合わせを作れたときは気持ちいい。
Shitenno
C.ルフェブヴル/ルドノート(2011年)
2~4人用/12 歳以上/60 分
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大仏がいる九州と、岸壁にお城がある四国