リアルタイムベット
ダイスで進む馬を見ながら勝ちそうな馬に賭けるリアルタイム競馬ゲーム。今年のゴールデンギーク賞とダイスタワー賞でパーティーゲーム部門に選ばれた多人数ゲームである。
1人のプレイヤー(専用アプリで代行可)が「ハウス」役となり、2個のダイスをひたすら振って馬をどんどん進める。期待値では「7」の馬が最も進みやすいが、『カタン』で経験する通り確率通りになるわけではない。しかも「同じ数字が2回続けて出たら+補正」があり、「6」と「8」の馬は+1、「5」と「9」は+2、その他は+3進む。この仕組みが、穴馬狙いをアリにさせる。
他のプレイヤーは、レースが始まったらいつでも好きなマスに自分のチップを置いてよい。馬ごとに「1位」「2位以内」「3位以内」と、「赤(6か8)の馬が1位」「黄色の馬(5か9)が1位」「青の馬が1位」「黒(7)の馬が4位以下」、さらに馬の相対順位や、特定の条件で勝つマスがあり、マスごとに勝った場合の倍率と、外れた場合の支払いが異なる。1マスにつき1枚しか置くことができないので、賭けられるマス馬の進み方を注意深く見ながら、ここぞというところで他のプレイヤーよりも先にいいところに賭けたい。
赤い線を3頭の馬が越えたらもう賭けることができない(1~2頭だけ独走して終わる場合は最後まで賭けられる)。そこからは自分が賭けた馬をわいわい応援。応援したからといって勝つわけではないが、競馬場のような雰囲気がある。どれかがゴールした時点で終了となり、順位に従って配当や支払い。配当は置いたチップの数字×倍率で、支払いはマスに書いてあるマイナスの数。
これを4レース行うわけだが、2~4レース目はVIPカードが配られ、追加チップを獲得したり、ゾロ目で収入が入ったりする。追加チップには数字は大きいけれども外れたときの支払いも大きいハイリスクハイリターンなものもある。
ダイスの出方は完全にランダムなはずだが、そのレースそのレースで流れがあるように思えてくる。一気に走るとこぞって賭けにいくものの、そこでピタリと止まってしまい、他の馬にまくられることもしばしば。そんな運の要素がもたらすドラマは、競馬の楽しさを再現していると思う。
Ready Set Bet
ゲームデザイン:J.クレア/イラスト:K.W.バッケンドーフ&A.ケーグル
AEG(2022年)
2~9人用/14歳以上/45分